人口500人以下⁉️
ふるさとの廃校に、子供達の声を取り戻したい!
「IWAMI ARTS PROJECT 実行委員会」
島根県石見地域出身の舞台俳優「竹内大樹(たけうち だいき)」を発起人とし、島根県民と東京を中心に活躍する芸術家が集まって立ち上げた、「芸術による石見地域のまちづくり計画」です。 竹内大樹「石見(いわみ)」とは島根県西部のことを指し、この実行委員会では石見地域を芸術によって活性化させる事を目標とし、幅広いジャンルの芸術作品を創作、上演、展示するだけでなく、それらの「芸術を通して」自らの住む地域、日本や世界を構築する社会や経済について考える「シンポジウム」を開催するなど、様々な観点から石見地域の発展に繋げたいと考えています。
今回の取り組みは、まだまだ小さな企画ではありますが、プロジェクトの回数を重ねることで徐々に進化し、石見を中心とした【大きな総合芸術祭を開催すること】を目指しています。
島根県西部・石見地域にある温泉津町は「石見銀山遺跡とその文化的景観」として、世界遺産にも登録されている港町です。
温泉津(ゆのつ)は大量の銀を世界に向けて積み出すだけではなく、北前船の寄港地や銀山で働く人々に物資を供給するための役割も果たし、最盛期には30軒もの廻船問屋が軒を連ねて、大いに賑わいをみせました。そのため古くからの商家、旅籠といった建物があちこちに残っており、温泉地としては初めて国の重要伝統的建築物群に指定されました。
薬師湯温泉津温泉街
温泉津温泉(ゆのつおんせん)には1300年の歴史があり、旅の僧が湯に浸かって傷を治している狸を見つけたとか、縁結びの神様「大国主命」が病気のウサギをお湯に入れて救ったことから始まった、ともいわれています。共同浴場は「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2箇所あり、「薬師湯」は「日本温泉協会」の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けました。
両方とも源泉に一切手を加えない、生の温泉が浴槽に入っており、現在もその薬効の高さから入浴者のたえることがありません。
また、伝統芸能「石見神楽」(八調子)が盛んな地域でもあり、各地の神社で行われる奉納神楽のほか、毎年夏には砂浜に特設ステージを建て、海に沈んでいく夕日を背景に神楽を舞う「海神楽」や、毎週土曜日の夜には温泉街の龍御前神社にて夜神楽公演が行われています。
金糸、銀糸の豪華絢爛な衣装と、石見人の気性そのままに、大太鼓、小太鼓、手囃子、笛を用いて、速いテンポの囃子の中、舞手が舞うのが特徴です。
石見神楽社中【温泉津舞子連中】撮影:竹内大樹
そんな温泉津町も、平成 23 年 4 月に小学校4校が統合、中学校1校も平成 26 年 4 月に隣接する旧仁摩町内の中学校と統合、町内には小学校が 1 校のみ残っていますが、いずれはその小学校も廃校となる危機に直面しています。
私を含め、すでに多くの町の人が、自らの学び舎である保育園、小学校、中学校を失っており、故郷が消えていく虚しさを実感しています。
なぜこのような事が起こるのかと突き詰めれば、現代社会の資本主義そのもの「効率至上主義」により、人口が都市などに集中し、温泉津町だけでなく石見地域全体が過疎高齢化したことが一因にあります。若者の流出に伴う少子化の進行とともに高齢者のみの世帯も増加し、集落活動の維持が困難な状況も出てきています。
このまま行けばさらに人離れも加速し、人が消え荒れ果てた農村や集落も増えることでしょう。なにか大きな変革がない限り、それは近い未来に必ずやってきます。
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