このプロジェクトについて
皆さん、こんにちは。ドキュメンタリー映画『発酵する⺠』を監督した平野隆章です。
この映画は、鎌倉や葉山の女性たちを中心に、3.11からの変化を7年間取材した映画です。人間以外の存在(微生物や惑星の動き)にも耳をすましながら、3.11後に生まれた、唄や踊りなどの文化、生き方を描いています。
福島で取材をしている時、被災者の方から「いつの間にか、原発事故が福島のことだけにされている。それが原発事故の被害を語りにくくしている」と言われたことが、印象に残っています。
この映画をつくることによって、福島や被災地と繋がることが出来るかもしれない。そのような思いで、映画の制作を始めました。
取材させていただいた人たちに魅かれ、様々な方に助けていただき映画を制作しました。そして、原発事故から10年という節目の2021年3月。福島の映画館「フォーラム福島」での劇場公開が決定しました。
今後、上映活動を広げていき、他の地域や海外の映画館、映画祭、自主上映会などで、映画を見ていただきたいと思っています。
しかし、コロナ禍により、映画館や自主上映会での制限も発生し、私のようなインディペンデント映画制作者も苦境に立たせられています。
制作費は自費で進めてきましたが、この映画の配給宣伝費等を皆さんにサポートして頂きたく、プロジェクトを立ち上げました。皆さんと一緒にこの映画を育て、広げていきたく、ご支援をよろしくお願い致します。
監督プロフィール
平野隆章
1981年、神奈川県生まれ。鎌倉在住の映像作家。 2010年、取材・撮影・編集を担当したドキュメンタリー『宮下公園』(制作OurPlanet-TV)が、地方の時代映像祭で優秀賞受賞。2013年、編集を担当した報道ドキュメント『東電テレビ会議 49時間の記録』(制作OurPlanet-TV)が科学ジャーナリスト賞大賞を受賞。 山形や福島、東京の映画館で上映される。2020年、初監督作品となる『発酵する⺠』を発表した。
映画の内容
海と山に囲まれた古都・鎌倉。2011年、このまちを「脱原発パレード」で歩いた女性たちが「イマジン盆踊り部」を結成した。彼女たちは、日々の生活の中で浮かび上がってくる思いを唄にして踊り始める。
お酒や味噌、パンづくりの思想から生まれた「発酵盆唄」。海水を汲み、薪で火を炊いて塩をつくる「塩炊きまつり」。やがて、風変わりな唄と踊りが、人びとをつなげてゆく。
この映画は、鎌倉や葉山のユーモア溢れる抵抗者たちと、盆踊りの渦、女性たちの笑い声を描きながら、 太陽系を縮小した円形の暦「地球暦」のマクロな視点や、「発酵」のミクロな視点を交差させてゆく。混沌と優しさの中で、何が見つかるだろうか。
映画の制作背景
・撮影の9割に自然エネルギーを使用
撮影で使用したカメラのバッテリーは、太陽光で発電した自然エネルギーを使用しました。電力会社と電力のやり取りをしない「独立型太陽光発電システム」を使用。映画の9割以上がこのエネルギーで撮影しています。
私が調べた限りでは、このシステムで全編撮影されたドキュメンタリー映画は、見当たりませんでした。このドキュメンタリーは、自然エネルギーの力を借りて記録された映画です。
イマジン盆踊り部(2015年の様子)
・微生物や惑星の動きが交差する
映画の起点は、3.11。今だ