「シルクのまち」で 福祉 × 養蚕という仕事を創出したい!

「シルクのまち」で 福祉 × 養蚕という仕事を創出したい!
福祉施設と協働して、新たな仕組みの養蚕を実証実験することで、福祉施設における養蚕方法の確立を目指して3年間、支援を行うための支援をお願いしたい。

謝野町の事業として、与謝野シルクプロジェクトという名前で養蚕事業がありました。しかし令和2年度当初予算が否決され、このプロジェクトが停止となりました。ようやく形になりつつあるのに・・・。費やした3年間の努力や税金、もったいない・・・。プロジェクト開始当初から織物事業者として関わってきたこともあり、どうにかして継続できないかとあちこち相談したところ、建設会社さん、シルク加工会社さんらから協力するよ!とお声をいただき、このプロジェクトを引き継ぐ体制が整いました。さらに、福祉施設のご担当者さんから、新しい仕事として挑戦してみたいとお返事をいただけたことで 、目指すべき事業化と方法に道筋ができ、農福連携でのスモールスタートを計画しました。 しかしながら、福祉施設としての事業として取り入れるためには、事業化に踏み込む前に、本当に事業として成立するのかどうかの実証実験養蚕をする必要があります。

なぜ与謝野町でシルクなのか?なぜ養蚕なのか?

「わたしたちの地域のご紹介」でお伝えしたとおり、与謝野町では古くから絹織物が織られ、昭和の後期には丹後ちりめんを基幹産業として、大きく発展しました。しかし、時代の流れとともに徐々にその繁栄は陰りを見せ始め、現在は最盛期の2%ほどになってしまっています。それでもまだ町内では産業に占める織物業の割合が一番であり、多くの人が携わっています。さて、この絹織物ですが、現在使用している原材料の絹糸のほとんどを中国やブラジルなどからの輸入に頼っています。かつては日本全国で行われていた養蚕ですが、海外からの安い原材料に取って代わってきました。そうした中で起こったコロナウィルスによる世界的な感染は消費行動や経済活動を大きく変えようとしています。田舎の伝統的な織物業にとってもこの時代の変化を敏感に捉え、やがてくる次の時代に向けた新たな挑戦を始めなければなりません。そこで養蚕に取り組むことを考えたわけですが、ただ単にこれまで日本各地でされてきた養蚕を始めるだけでは、上手くいくはずがありません。どのような仕組みで、どのようにすれば、持続できるのか。

シルクは糸となって着物などに使われる織物になるのはもちろんですが、実は健康食品や化粧品などにも使われています。
そして、カイコの餌となる桑の葉も、お茶など健康食品としての利用もされています。

さらにもう一つ注目しているのが、サナギの活用です。2013年、国連食糧農業機関(FAO)は、世界の人口増加による食糧危機や地球温暖化への対策として昆虫食を推奨する報告書を発表したのをご存知でしょうか。そのような動きの中で、その飼育方法や収穫のしやすさなどから、養蚕およびカイコやサナギによる研究も始まっています。

これらの課題や世の中の流れ、福祉との連携を組み合わせれば、この町でも養蚕を事業化することができるのではないか?と思ったのです。
これまでの活動

KYOTO YOOSAN合同会社の前進である与謝野シルクプロジェクトでは、町内の有休地を開墾し、桑園を整備しました。そこには現在4,000本の桑の木が育っています。養蚕では、地域おこし協力隊や地元の希望者を募り、兵庫県丹波市にある養蚕農家さんでの研修と3回の試験養蚕を実施しました。一度はカイコが病気になってしまい全滅に近かったこともありましたが、3回目には美しい繭の収穫ができました。収穫できた繭は、地元で手機による創作活動を行っておられる染織作家さんにお買い上げいただいたり、織物観光施設の会社さんへお土産の一つとしてお買い上げいただきました。

KYO