「ネットカフェに泊まるお金もなくなって… マンションの非常階段で隠れるように寝ています… 助けてください」
そんなSOSが毎日のように届くことを、私は最近まで知りませんでした。
すぐ近くで、仕事を失い、家を失い、人とのつながりを失い、安心安全をなくして困り果てている人がいる。
希望を失い、命の危険を感じている人が、心と体を回復させ、もう一度歩いていくための自立支援シェルターを設立したい!
そんな1人の想いから始まったプロジェクトです。
今、起こっていること
この数年で公園、河川、道路、駅など、いわゆる「路上」で寝起きするホームレス状態の方は減少していると厚生労働省は発表しています。(2017年 5,534人 → 2021年 3,824人)
しかし「路上」ではないけれど、インターネットカフェやカプセルホテルなどに宿泊する形の「住居喪失者」は都内で約4,000人、そのうち約3,000人が派遣労働者や契約社員、パート・アルバイトといった「不安定就労者」であると東京都は発表しています(2018年調査)
これまでギリギリの生活でもなんとか家賃を払っていた人、またはネットカフェに寝泊まりしながら食いつないできた人たちを、コロナは直撃しました。
「コロナで会社が倒産し、仕事がなくなった」
「家賃が払えなくなって、家を追い出された」
「住所がないと、まともな仕事に就けない…」
「お金がなくて、もう何日もろくに食べていない」
そんなSOSが、この1年で急増しています。
この状況に対して何ができるのか・・・そこで立ち上がったのが、社会復帰を支援するシェルター設立プロジェクトです。
プロジェクトをはじめた理由
はじめまして。
今回、家や仕事をなくした人を守るシェルターを設立しようとしている堀井香織と申します。
この度は数多あるプロジェクトの中から、このプロジェクトに関心を持って頂き、心より感謝申し上げます。
私は現在舞踊家を本業としているのですが、元々は貧困問題を大学で専攻し、国連機関でアルバイトをしたり、インドのマザーテレサ施設にボランティアに行ったりしていました。
社会人になってからはNPO法人ETIC.で社会起業家の支援、コーチングや企業研修の会社経営、ベトナムでの人材開発事業、片づけコンサルタント近藤麻理恵(こんまり)さんの事業運営など様々な事業に関わってきました。
社会人になって20年。原点であった貧困問題からは随分と遠のいてしまい・・・自分は今後の人生で何ができるだろうと考えていた時、コロナ禍が始まりました。
首都圏ではステイホームが叫ばれ、会社やお店の倒産、ネットカフェの閉鎖、路上で寝泊まりするしかなくなった人のニュースを聞くと、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
『何かしなければいけない、でも何をしたらいいのかわからない』
そんな悶々とした日々を過ごしていた時、仕事や家をなくした人を一時的に保護する「シェルター」が足りないという記事を目にしました。
実際に支援活動を行っているNPOに行くと
「コロナ以降、困窮してSOSを出す人は増加している。けれどその人たちに寝る場所と食事を提供するシェルターが圧倒的に足りない。そして、シェルターに部屋を貸してくれる大家さんもなかなかいない。そこに困っている。」という話でした。
それを聞いた時
『だったら私が物件を買って、シェルターとしてNPOに貸そう!!』
という決意が胸に湧きました。
ずっと、何かやろう、でも何をしたらいいのかわか