SOUND&ART BOOK 音のえほん「銀河ノコモリウタ」

SOUND&ART BOOK 音のえほん「銀河ノコモリウタ」
宮沢賢治生誕125周年。宮沢賢治のものがたりの朗読と音楽が、ぎっしり詰まった2枚組の音の絵本。 賛同くださる音楽家、詩人、美術家のみなさんとつくりあげるサウンド&アートブック”聴くとひらく耳” 「銀河ノコモリウタ」。震災体験をもつ神戸と岩手を結ぶように、わたしの住む神戸より発信します。

もう一度、星と精霊のうたが聴きたくて。
音の宇宙を身体で聴く。今この瞬間、鳴りわたる銀河の音を聴くために。
宮沢賢治のものがたりの朗読と音楽が、ぎっしり詰まった2枚組CD Sound&Art Book。
お話を聴く、音楽を聴く、
さまざまな人の声を聴く、ページをめくる。音。
”耳”という知覚、その手触り。

おとなもこどもも一緒に、聞いて感じて、自然の中で遊ぶように
 ”聴かれることでこころがほどけ、ひらいてゆく” ような 音の絵本をつくりたい。

自然環境の急激な変化、新型コロナウィルス感染拡大による人と人との関係性のあり方など、大きな変容の波をみんなが感じています。長きにわたり集いや学びの場が制限され、わたしたち表現活動に携わる人々も表現(仕事)の場を失い、観客とふれあい共有することが少なくなりました。活動自粛や自宅待機、長く降り止まない雨が続く中で深く見つめなおすことになった「人と自然」との”ほんとうの関わり”、共に集い、共に生きる社会の行く先。

自然と人との関わりをもう一度足もとから見つめ直したい、
“すきとおったほんとうのたべもの”が知りたくて、近くの山に行き、木を観察したり太陽や風を感じたり、賢治のしたように自然宇宙とともに生きてみようと、鳥の鳴き声を聞きながら畑を耕し野菜やくだものを育てたりして過ごしながら感知し始めた「音と人と自然」の共鳴場。

その場所はただただ神聖で、静けさと豊かさに満ち溢れていました。
そしてその自然が織りなす「音」を、さまざまな人々と一緒につむぎ、
いま、必要としている人に届けることで見つかるものがあるのではないかという思いから、この音の絵本プロジェクトがはじまりました。

宮沢賢治が記した「イーハトーブ」は、彼が理想とした共同体の表現で、
自然と人間とが共生する場所なのです。

この音の絵本制作の呼びかけに、サポートくださる人があらわれたり、素晴らしいアーティストの方々からの参加の連絡をもらうことになり、それならばより広がりを持って良い作品作りをしたい、という願いがうまれ、このたびクラウドファンディングに挑戦することになりました。

また、今年は偶然にも岩手花巻と神戸が航路(フジドリームエアラインズ)で繋がりました。
震災や自然災害を共に経験した花巻と神戸。
そして宮沢賢治が生まれて今年でちょうど125年です。

賢治のイーハトーブの想いをわたしの住む神戸から、
ポストパンデミックに向けての新たな生き方の指針になることを願ってやみません。

また、このプロジェクトに賛同、参加くださる管啓次郎さん、小島ケイタニーラブさん、柴田元幸さんらは、作家の古川日出男さんとともに朗読劇『銀河鉄道の夜』を制作、東北をはじめ各地で上演もされて来ておられ、このような素晴らしいみなさんたちが協力くださることがありがたく、本格的な制作に向けて皆さまのご支援をいただけると本当にうれしく思います。

風とゆききし、雲からエネルギーをとれ。
誰人もみな藝術家たる感受をなせ。
「農民藝術概論」宮沢賢治

「ことば」は大変身近なものですが、
その中には実はとても不思議な「音」の世界が展開している、ということを歌を通じて感じてきました。

あるきっかけで「宮沢賢治」の朗読を耳にした時、
自然/宇宙に根ざした彼の言葉と物語が、自分が感知している世界をさらに別の角度から広く拡張してゆくのを体感し、あらためて宮沢賢治という人が残した「音」に深い感動をおぼえました。

注文の多い料理店 序文より

セロ弾きのゴーシュより

農民藝術概論より