化を起こす技術です。
遺伝子組換えは、開発したい生物に、別の生物の遺伝子を導入することによって、別の生物の持つ特性を付与する技術であるため、自然界には存在しない品種が生み出されます。これに対し、ゲノム編集では、遺伝子導入を行わず、開発したい生物の遺伝子に対して自然界でも起こり得る変異を再現する手法です。そのため、自然界にも存在し得る品種を生み出すことができます。
また、従来の品種改良は、ランダムかつDNAを数千個単位で起きる突然変異を利用してきたのに対し、ゲノム編集では、DNAを数個単位でピンポイントに変異させることが可能になります。
ゲノム編集技術って安全なの?
従来型の品種改良は、ランダムに起きる変化に依存するため、どの遺伝子にどのような影響が出るかは、実は正確に把握できていないのが実態です。
それに比べて、ゲノム編集は、どのような働きを持つ遺伝子がどう変化したか、変化の過程が明確になるため安全です。実際、狙った遺伝子以外の遺伝子に変化(オフターゲット変異) がないことを確認しております。自然界でも起こり得る品種改良なので、安全性の面でも問題ありません。
※詳しくはリージョナルフィッシュWebページをご確認ください:欠失型ゲノム編集について
京都大学×近畿大学の研究成果を社会へ
私たちのコア技術は、京都大学と近畿大学における2人の研究者の長年の研究成果をベースとしています。
木下政人准教授は、京都大学にて30年以上に渡って研究活動を続けており、水産物へのゲノム編集分野における第一人者です。また、家戸敬太郎教授は、近畿大学水産研究所の実験場長も務めており、ゲノム編集に必要な水産物の完全養殖に精通しています。
国内はもちろん、世界でも最高水準の技術を社会に還元するべく、私たちは日々奮闘しております。
私たちの養殖場は「海の京都」京都府宮津市にあります。日本三景の天橋立、丹後の美しい海に囲まれた好立地に陸上養殖施設を構え、心を込めて魚を育てています。また、各地の一部養殖場でも、22世紀鯛を生産しております。
京都で開発された新品種を京都で育てる。まずは京都の水産業を盛り上げることから、地域経済の活性化に貢献していきます。
生物多様性への影響を考慮した陸上養殖設備
ゲノム編集技術を用いるため、魚が外海に逃げ出さないよう、飼育水槽は陸上養殖施設に設置し、様々な拡散防止措置を執っています。
例えば、水槽内に筒状ネット、排水溝に二重のネットを設置することで、合計三重のネットを完備。魚の発育ステージに応じて目合いを変更すると共に、毎日こまめに掃除・点検を実施しています。
※なお、繁殖用の親魚の水槽では、必要に応じて、別に卵回収用の小型水槽(卵回収装置)を設置し、水槽外への卵の流出を防止しています。また、精子は、海水中ですぐに活性が失われ、外海に到達するまで受精能力を保持できないことを確認しております。
スマート陸上養殖による未来の養殖モデル構築へ
「22世紀鯛」の飼育にあたっては、「スマート陸上養殖」を取り入れています。
AIカメラで魚の大きさを測定し、自動給餌機と連携させることによって、給餌量を適正化します。また、海水をろ過および紫外線殺菌することによって、魚病と水質汚染のリスクを最小化し、IoTセンサーで水質を調整することで、魚と環境にやさしい養殖を実現します。
これらのデータを活用することで、給餌・清掃といった現場業務の省力化・自動化を進めるなど、水産事業者様に必要とされるスマート養殖技術を開発し、地域経済の発展に