急激に感染爆発が広がるホーチミン市
水際で大切な人々の命を守るために
はじめまして。東京に住んでいるベトナム国ホーチミン市出身のヴィーと申します。
東京では毎日数千人の新規感染者数が発表され、コロナが収まりそうで収まらず、慌ただしい変化の一年間でしたが、皆さんの生活はどのように変わりましたか?
つい最近までの私は、ニュースでお金、仕事、家族まで多くの人が影響を受けていると聞いていても、正直なところ、遠い世界の話のように感じ、自分にはあまり関係がなく、何もできないことだと思っていました。
しかしながら、この2週間の間、地元のホーチミン市の友達や知り合いから続々と訃報の知らせを受けるようになり、ただならぬことに気づき、はじめて新型コロナウイルスの脅威を実感しました。
7月から急速に新型コロナウイルスのデルタ株の感染が広がり、7月末から8月中旬にかけて、東京都もホーチミン市も、毎日5千人以上の新規感染者を出しています。
新規感染者数はほとんど同じ東京都とホーチミン市ですが、ホーチミン市では死亡率が高く、平均で一日300名以上の人が亡くなっており、この1か月で約9000名の死亡者を 出しています。これは東京の死亡者数の十倍を超えた数字です。
「コロナにかかってしまえば、もしかしたら二度と家族に会えないという覚悟で患者の皆さんが入院しています」と、最前線で戦っている医師が言っています。
データ:ベトナムの保健省と東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトより
奪われるのは命だけではない!
お金、仕事、家族を失い、生きる希望すらなくなってしまったホーチミン市の現状
ホーチミン市では、第4波に入る前の4月から既に社会隔離を実施しており、必需産業以外の営業は禁止されています。営業停止はその該当業種だけでなくそれに関連する様々な労働機会に影響を与えています。やむを得ないとはいえ、日雇いで労働をし、日々の生活費をつないでいた人々にとっては非常に苦しい状況です。
PL&Gが提供ホーチミン市は、ベトナム国最大都市として知られていますが、その6割の市民は月給2.5万円以下で、貯金ができているのはわずか17%にすぎません。毎日家族を養うだけで精一杯となっている人がほとんどです。
荷物の積み下ろしや資源回収で生計を立てる自由業者、路上生活者、失業者は最も大打撃を受けており、各慈善団体の支援に頼るしかない 状況となっています。日本では社会保険、コロナ援助など政府の様々な援助制度があり、テレワークに切り替えて仕事を続けられる場合もありますが、ベトナムではそう簡単ではありません。
PL&Gより
そして8月からは、コロナ感染者数を収めるため、ベトナム政府は社会隔離をさらに強化しました。感染リスクが最も高い「レッドゾーン」地域は完全封鎖されています。感染リスクの低い「グリーンゾーン」地域でさえ、外出は週1回しか認められていません。違反者には高額な罰金が科されています。
THANH NIEN 新聞より
封鎖されたのはこういった「レッドゾーン」だけではありません。フェンスの内外で人々の心が閉じ込められた結果、生活と精神の両方が苦しんでいます。
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一人でも重症させないよう人工呼吸器を届けたい!
なぜベトナムでは感染爆発してからこんなに多くの命が奪われたのか、なぜ町全体がこんな