2022年5月 「ガンジスの女(仮)」(原案:マルグリット・デュラス)
神戸大学博士課程に在籍し、アントナン・アルトーを研究している吉水佑奈との共同作品です。
2022年9月 再演作品(仮)
過去作を再演します。何を再演するのかは……まだ秘密です。
2023年2月 「脱獄計画(仮)」@こまばアゴラ劇場(東京)
アルゼンチンの文豪・ビオイ=カサーレスが、知覚の変容と、個人が徹底的に孤立しコミュニケーションが不可能になった世界を描いた同名の小説を原案として、山本伊等が戯曲を執筆、舞台化します。
【旗揚げ公演「うららかとルポルタージュ」とは?】
旗揚げ公演「うららかとルポルタージュ」は、上述のように『S-Fマガジン 2021年6月号』に掲載された山本浩貴+鈴木一平の小説「無断と土」の続編として山本浩貴が執筆したものであり、当団体主宰の山本伊等が演出するものです。
📝作品概要
二〇三一年、VTuberのmaYoは、心霊脱出系AIリアリティ番組『Rival Phasmophobia』に着想を得て、それを十年後から想起する戯曲を書き始める。二〇四一年、投稿された心霊ビデオをもとにその背景を探っていくジャンル、いわゆる「心霊ドキュメンタリー」の或るディレクターは、年上の友人から一本の映像データを受け取る。それは、十年前に、ソーシャルVRプラットフォーム「VRMap」のなかで撮影された心霊映像だった。友人いわく、投稿者は自身の娘で、当時、何も撮れていなかったと思っていたが、VRMapのサービス終了が話題になったことで昔を思い出し、映像を見返してみたところ、そこに見覚えのない人物が映っていたのだという。VRMapは二〇二〇年代に流行し、ソーシャルVRプラットフォームの代表格として認知されたものの、二〇三一年に会社ぐるみの企画で大きな炎上を起こして以降、勢いを無くしていた。投稿映像は、その炎上のきっかけとなった『Rival Phasmophobia』 のロケ地として開設されたワールドのひとつにおいて、投稿者を含む当時の子どもたち数名が、バグを用いながら「降霊ごっこ」をして遊んでいたとき撮影したものだった。映像そのものは使用して良いものの、投稿者は出演NGとされたため、その背景となる物語を設定し、役者による演技のもと、ドキュメンタリーパートを撮影しなければならない。ディレクターはプレイヤーたちの語り(ライブ配信記録)を見ながら構想を練るものの、うまくいかない。友人より当時のプレイヤーたちのアーカイヴをもとにした再現ワールドが公開されていることを知らされ、そこを訪問し、アバターらの「デモ」に立ち会う。
「うららかとルポルタージュ」舞台プラン。
🦍「うららかとルポルタージュ」参加者一覧
作:山本浩貴(いぬのせなか座)
演出:山本伊等(Dr. Holiday Laboratory)
出演:菊地敦子、油井文寧、佐藤駿、ロビン・マナバット(Dr. Holiday Laboratory)、田中優笑
舞台美術:福留愛(ⅲ architects)
音楽:SKANK(NIBROLL)
照明:千田実(CHIDA OFFICE)
衣装:大河原祥太
舞台監督:伊藤新(ダミアン)
制作:小野寺里穂(Dr. Holiday Laboratory)
記録映像:宮﨑輝(オフィスマウンテン)
劇作家紹介
山本浩貴(やまもと・ひろき)
92年生。制作集団「いぬのせなか座」主宰。小説や詩の制作、批評、編集、デザイン等。主な小説に「無断と土」(鈴木一平との共著、『SFマガジン』2021年6月