まいど!NPO法人Reジョブ大阪です。私たちは、高次脳機能障害や失語症など、病気や怪我で人生の途中、突然障害を負った人たち、しかもそれを脳に負ったために「パッと見、普通」に見える人たち、しかも損傷部位が脳であるがゆえに、思いが伝わりにくくなったり、誤解されるような行動をとってしまったりと言った人たち、そういう人たちの支援をしています。
人によって障害の程度や症状は様々ですが、全員に言えるのはとにかく「困っている」ということ。足の不自由な方の車椅子に相当するもの、風邪をひいたときの風邪薬に該当するものが、まだありません。当事者やその家族が、障害を負ったその日から行き当たりばったり、手探りで見つけた貴重な情報を皆で共有してきました。またリハビリを受けながら、工夫して仕事を探した情報を分け合ってきました。支援する私たちも、こうすれば良いという支援方法や特効薬もない中、手探り状態。本当に困っているんです。
でも、困ってばかりもいられません。生きていかねばなりませんから。NPO法人Reジョブ大阪は、毎年秋に、そんな当事者や家族さんたちと一緒に文化祭を開いてきました。まずはこの障害を「知ってもらう」こと。そしてその方法は、できることなら大阪らしく楽しい方がいい!
写真……NPOを設立するきっかけとなった『知っといてぇや これが高次脳機能障害者やで』出版記念パーティ
第1回 まるっと文化祭 2019年10月14日
この年はまだコロナのコの字も聞かない時代。大阪府立中央図書館と隣のライティホールを借りて、本物っぽい文化祭(笑)を開催。ホールでは高次脳機能障害のある方と素晴らしい仲間たちのライブ。会議室では当事者セミナーや、リハ職のケアコーナーなど。運営は大変でしたが、皆が心を一つにして開催することができました。
第1回詳細はこちらのレポートをご覧ください。
第2回 まるっと文化祭 2020年10月25日
急に拡大した新型コロナウィルスの感染防止の為、オンラインイベントに変更。もともとオンラインに強かったリジョブ、セーフって感じでした。なるべく文化祭の雰囲気を残しつつ、動画を編集。全国で255名の方にご視聴いただきました。
第2回詳細はこちらのレポートをご覧ください。
そして今年が3回目です。今年も新型コロナウィルス感染防止の為、オンラインイベントです。でも、オンラインならもっともっと大勢の人に見てもらっても良いはず!しかし宣伝不足なのでしょう。なかなかこの文化祭のことが広まりません。
そこで!今年は、広告費にお金をかけようということになりました。総会でも言われたんです。まず初期段階は広告費をさけと! んが、お金がありません。そこで、クラウドファンディングをしよう!という経緯なのです。広告費といっても、やはり当事者の登壇者や参加者が自らこの文化祭の広報をし、謝礼が払えたら一石二鳥。私たちはそのように考えました。
日本中、災害だらけです。新型コロナウィルスの感染拡大もそうですが、地震や台風も多発。天中殺のような時代です。そんな中で一番困るのは、最も弱い人たち。お年寄りや子ども、そして障害のある人たちです。避難所での生活は障害のある人たちにとっては耐え難いものであることも多いです。加えて、脳損傷者の場合は、自分が何に困っているのかを言葉で表現できなかったり、一見普通に見えるために適切な配慮を受けられなかったりします。
そこで、今年のテーマは「ぼくらの困りごとと工夫」とし、防災、復職、再発予防など、脳損傷者に限ったことではないテーマとしました。