札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!

札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!
札幌で2014年から続けてきたゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」別館を「書店+シェルター」にするプロジェクトを始めます!昨年から始めたシェルター事業を持続的にするために、新たに書店を立ち上げます。旅人を受け入れてきた視点だからわかる、いまの札幌に最も必要な「新しい公共」の場所として。

こんにちは。私は札幌市でUNTAPPED HOSTEL(アンタップト ホステル)という宿泊施設の代表を務めております、神輝哉(じん てるや)と申します。この度は数多あるプロジェクトの中から、私たちのプロジェクトに関心を持って頂き、心より感謝申し上げます。

今回、私たちは、宿泊施設に隣接する新店舗として「書店」を立ち上げようと考えています。それは、昨年から始めた住まいを喪失した人を受け入れる「シェルター」を、持続可能な活動にするためのものでもあります。

10年近く、札幌の街場の動きに関わりながら、旅人を受け入れる視点からこの街を見つめてきました。いまの札幌に必要な場所として、私は、カルチャーと福祉が融合した「新しい公共の場」を、持続可能な形でここ「北18条エリア」につくっていきたいと考えています。

私が今考えていること、未来のこと。

少し長い文章にはなりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

UNTAPPED HOSTELは、2014年に開業した、旅人向けのホステル/ゲストハウスです。札幌駅から地下鉄で2駅の、北海道大学に程近いエリアにあります。UNTAPPEDとは「未開発の/まだ見つかっていない」という意味で、この北海道が秘めている魅力や、旅人に宿る可能性をイメージして名づけました。かつて鰻屋として使われていた5階建てのビルを、多くの友人の手を借りて改装しオープンしました。

改装時、スケルトンのビルで同世代の研究者・アーティストなどを招いて行われたイベントの様子

2016年には私たちが「別館」と呼んでいる同敷地内の古民家も加わり、現在では2棟を併せて「UNTAPPED HOSTEL」としています。旅人と地元の人の接点となる場所を目指して、今に至るまで約7年間営業を続けてきました。

また、ホステルの一階には、札幌円山エリアで1997年に創業した「ごはんやはるや」が入っており、一つ屋根の下で共に多くの国内外のゲストや地元のお客様をお迎えしてきました。はるやさんの美味しいご飯はこのホステルの大きな魅力であり、大切な要素です。

21,22歳ごろ、ヨーロッパを回っていた頃

世界一周などの雄弁なエピソードを持たない私ですが、バックパッカーとしての旅の経験や、父が商売をやっていて多様な人が出入りしていた実家の環境、そしてこの札幌に根付く飲食店など多様な個人店への想いが、この宿のベースとなっています。

創業当初から、小さな宿ながらも、「街の文化に寄与したい」という想いがありました。文化というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、街の一人一人が生き生きと暮らす中で積み重ねていった、営みの総体がこの街の文化だとすると、この宿もその一部でありたいという想いがあります。そのような想いから、宿としてお迎えするゲストには、ガイドブックでは知ることのできない、一歩踏み込んだ札幌の美味しい・楽しい・面白い場所をご案内することを心がけています。

また地元の人たち向けには、親交のある飲食店との共同イベントやミニコンサート、展示販売会、映画上映会、トークイベント、結婚パーティーなどを、この場所で行ってきました。これら全ては血の通った個々の繋がりから生まれてきたものばかりです。

隣り合わせの別館は縁があって借りられることになり、2016年の10月にオープンしました。毎年少しづつ手を加えてきた大切なこの場所でしたが、昨年から状況が一変してしまいました。ご存知、新型コロナウイルス感染症がその理由です。

2020年2月の雪まつりを過ぎたあたりからパタ