書店+シェルター」として別館を運営していこうという結論に至りました。シェルターはこれまで通り2階部分を使用します。
「書店」というと唐突に思われるかもしれませんが、もともと私は本に関わる仕事をしていました。学生時代から本や書店が好きで、本に関わることがしたいという想いから、実用系の出版社である「主婦の友社」という会社で営業職として5年ほど働いていました。札幌に帰ってきてからも友人のバーを借りて、小さな本の交換イベントを行うなど、個人的に本と書店への愛着は継続して持っていました。
「書店+シェルター」という形態にしたいと思うのは、本というもの、そして書店という場所が持つ懐の広さと、その可能性の為です。書店という場所、そしてそこに並ぶ本は、あらゆるもの/ことと接続できる懐の広いものであると考えます。
今回の書店計画において、ことあるごとに背中を押してくれ、相談に乗って頂いている東京・神楽坂の書店「かもめブックス」代表の柳下恭平さんの言葉を借りると「本には様々なハッシュタグ#をつけることが可能」です。ゲストハウス文化を含む旅や観光分野とも、はるやさんが作るような美味しいごはんとも。それならば今行っているシェルター運営や、それにまつわる社会課題ともポジティブな接続が可能なはずです。
むしろ、その間の溝をゆるやかに埋め、これまで交差することのなかった者同士を繋ぐ、柔らかな緩衝材としても書店は機能するはずだ、と(希望を込めて)考えます。
本を購入する為にやってきた方も、支援活動に従事する方も、ふらりと立ち寄っただけの方も、そこを仮の住まいとするシェルターの入居者も、そこでは等しく居ることのできる書店という「場所」。目的の本を購入するだけならインターネットで事足りますが、今一度、思いがけない本や人との出会いの可能性を秘めた場所を作りたいと思ってます。
現在の別館を、持続可能な「書店+シェルター」にしていくために、既にある設備・機能を活用し、売上を作る複数のチャンネルが必要であると考えています。
現時点で、大きく以下の3つの要素を持つ場所にしたいと考えています。
1.に関してはその名の通り、私たち自身で選書した本が並ぶ書店部門です。ゆくゆくは新刊のみにこだわらず、古書の扱いも視野に入れています。また、これまでの繋がりを生かした作家さんによる作品、雑貨、その他の物販も考えています。これまでの経験も生かし、イベントも積極的に行なっていく予定です。以前は音楽に比重を置いたものが多かったのですが、今後はトークイベント配信やワークショップなど、共に学び、考えるきっかけとなる場を提供したいと考えています。
2.は書棚の一角を、東京・吉祥寺の”ブックマンション”や、静岡・焼津の”みんなの図書館 さんかく”を参考にさせて頂き、棚オーナー制度を採り入れようと考えています。月額で棚を借りてくれるオーナーさんを募集し、そこに好きな本を好きな値段で売ってもらうという、棚単位の小さな書店が集うコーナーを設けます。売上は棚オーナーに還元される仕組みです。
ブックマンション、さんかく共に現地に足を運び、実際にお話を伺う中で、様々な人の「関わりしろ」のある、新しい書店の形にとても可能性を感じました。借主は法人・個人問わず、好きな屋号をつけて自己表現の場所として利用してもらうもよし、オーナー同士の交流を求めるもよし、多くの人が関わる本の生態系がそこに生まれることを期待しています。今回、年間借り上げのリターンもご用意させて頂きました。
3.はすでにUNTAPPEDに備えられ