札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!

札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!
札幌で2014年から続けてきたゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」別館を「書店+シェルター」にするプロジェクトを始めます!昨年から始めたシェルター事業を持続的にするために、新たに書店を立ち上げます。旅人を受け入れてきた視点だからわかる、いまの札幌に最も必要な「新しい公共」の場所として。

した。

それは逆に、簡単に答えが出せないが故の結論でもあります。

また、日々の受け入れに加え、2021年3月30日には「おおきな食卓」と題した炊き出しも行いました。きっかけは、SNSで「UNTAPPED HOSTELが住まいを失った人の受け入れ事業を行っている」ということを知ってくれた方が、ご自身が大切にしていた500円貯金を、寄付として持ってきてくれたことです。寄付を頂くという経験がなかった私たちは驚きつつも、すぐにスタッフと話し合いました。そして、活動に賛意を示してくれたこの方に、目に見える形でアクションをしようと、その場で炊き出しを行うことを決定しました。

「炊き出しに名前をつける」ということはあまり聞いたことはありませんでしたが、この活動がこれまでUNTAPPED HOSTELが行なってきたことと地続きであるという信念がありました。それまでUNTAPPED HOSTELで行なってきたイベントなどの要素を取り入れ、こういった社会問題にそれまで興味がなかった人、知っていても何となく避けていた人たちにも、関わりやすい雰囲気を作りたかったのです。これまで培ってきた「UNTAPPEDらしさ」をそこに反映させることに意味があると思いました。

実際の成果としては、路上生活者をはじめとした生活困窮状態にある人たちや、コロナ禍でバイトを失い生活に困っている学生、留学生たち、合計150名近い人たちに物資やお弁当を渡すことができ、15名のヘアカットも実施できました。

またSNSで寄付の呼びかけをしたところ、友人のみならず、これまであまり交差する機会のなかった地域の人たちや、町内会、アーティストの方々や、バンド方面からも賛意とそれに伴うアクション(情報の拡散に加えて、留学生に向けた各国語への翻訳のご協力等)、そして多くの寄付が届けられました。これらは全く想定外のことで、私たち自身が大きな希望をもらい、勇気付けられました。様々な形で協力してくれたお店や、ボランティアで参加して頂いた方々、遠方から気にかけてくれた方々にも今一度この場を借りて感謝を伝えたいと思います。

この「おおきな食卓」は今後も年に数回のペースで継続していく予定でいます。

また、2021年6月からは、コロナ禍で様々な出会いの機会を失ってしまい、孤独を感じている近隣の大学生向けに、小さな食事会を当事者である大学生たちとスタートしています。

これらの活動を通して、UNTAPPED HOSTELが、いち宿泊施設の枠を超えていったように思います。振り返ると、この場所が図らずも「公共性」を帯びていった一年でした。そしてこれらの経験で得た実感が、今考えているこれからの活動の指針になっています。

私はこの困窮者の受け入れという事業を継続していこうと思います。そして、そこから見える現実と向き合うことで拓ける未来の可能性を探っていきたいと考えています。しかしその為には、現実的に継続を支える別の収益事業を作っていかなくてはなりません。本業である宿泊業は、現在の状況が収束しない限り、支援事業を賄うだけの収益は当分見込めないと考えています。

「おおきな食卓」で実際にたくさんの方々との接点が生まれたように、私がこれまで札幌で関わりを持ってきた街場の文化と、公共/福祉をゆるやかにつなぐ場所として、持続的に運営していける場所とはどんな形だろう?と模索の日々が始まりました。

様々なやり方を検討した結果、現在受け入れ施設としている別館一階の一部(約17坪)を、宿泊施設から新刊をメインに扱う書店に業態変更し、「