札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!

札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルター」をつくりたい!
札幌で2014年から続けてきたゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」別館を「書店+シェルター」にするプロジェクトを始めます!昨年から始めたシェルター事業を持続的にするために、新たに書店を立ち上げます。旅人を受け入れてきた視点だからわかる、いまの札幌に最も必要な「新しい公共」の場所として。

ている設備や、資産を活用したもので、本を中心とした「場所」として楽しんでもらえる雰囲気を作っていきたいと考えています。書店らしからぬ開放的な空間を楽しんでもらえたらいいな、と思っています。写真からコロナ以前の別館屋外の雰囲気を感じてもらえたらと思います。

これらの要素を盛り込み、各部門で小さな売上を積み重ねていく、総力戦でこの場所を守っていきたいと考えています。またシェルター存続に関しても、現在の運営母体である株式会社とは別に、一般社団法人(非営利型)を立ち上げ、より円滑に活動を継続できる基盤を作っていく予定です。上記の棚オーナー制度は一般社団法人の管轄として、その賃料はシェルター入居者のために使用させて頂きます。

この書店は、これまでたくさんの旅人を受け入れてきたUNTAPPED HOSTELらしさを打ち出し、特にこれからを生きる、若い人たちに向けた書店にしたいと考えています。さらに言うと、彼ら/彼女らの人生の可能性や選択肢が広がるような書店に。それはUNTAPPED HOSTELがこれまで旅人に提供したいと思ってきたものと全く同じものだと、私たちは考えています。

UNTAPPED HOSTELのある北18条というエリアは、北海道大学を中心とした学生街です。学生の現状は、授業はほぼオンライン、サークル活動や部活は制限され、バイトもできなくなり、と学生時代にこそ行使できる自由が奪われている状況が続いています。道外からやってきた新入生は、友人をつくる機会さえ奪われているような状況です。場所柄、学生とコミュニケーションを取る機会も多く、メンタルの不調を訴えている学生についての話も度々耳にしました。(これらの状況を受けて、上記の学生による食事会を開催してきました。)

このような状況下で、学生をはじめとした若い世代の人たちに、決してひとつではない生き方を提示できる書店を作りたい、という想いを強くしました。私自身もまた模索中の身であるからこそ、ほんの小さな一歩でも、自らの人生を主体的に選ぼうとする人たちの背中をそっと押せる場所でありたい。そして、その選択肢は、弱さや生きにくさを抱えている人ほど必要だと考えます。

母体であるホステルは「旅の舞台」。書店で本を開き、特別な一冊との出会いを求めることも、また旅に似ています。旅先での出会いが人生を一変させてしまう可能性があるように、一冊の本との出会いが、思いがけない方向に人を導くことだってあり得ます。

宿があり、美味しいごはんやさんがその1階にあり、奥の別館には書店があり、その上では住まいを失った人の為のシェルターがある。そんな不思議な空間ですが、名状しがたい場所だからこそ生まれる豊かさもあると信じています。いずれはこれらが互いに影響し合い、良い循環が生まれる風通しの良い場所を目指していきたいと思っています。

今のUNTAPPED HOSTELを形作る要素のひとつひとつは、「宿泊施設」「飲食店(ごはんや はるや)」「シェルター」と分解できますが、全体をひとつの場所とした場合、現時点では適切な言葉が思いつきません。ただ間違いなく言えることは、シェルター運営をきっかけに、宿のみの時に比べて、より一層多様な人たちへ門戸が開かれ、交差する素地が出来たということです。

UNTAPPED HOSTELは、この経験を経て新たに描いた未来の可能性を拡げていきたいと考えています。それは「共に支え合う社会」という未来です。

コロナ禍で露わになった、今まで自分自身も知ってはいたものの、見て見ぬふりをしていた様々な問題が