【滋賀・草津】地域の人がふれあう居場所のかやぶき屋根を残したい!

【滋賀・草津】地域の人がふれあう居場所のかやぶき屋根を残したい!
今から約150年前、明治初期に建築された『かやぶき心』。地域のふれあいの居場所として、にぎわいを見せるかやぶき心ですが、その象徴でもあるかやぶき屋根の劣化が激しく、存続の危機を迎えています。今回、屋根の改修工事をすることで、地域の人々が安心して利用でき、出会いと絆を深める居場所を存続させます!

はじめに・ご挨拶

はじめまして。琵琶湖の南部に位置する滋賀県草津市駒井沢町で、NPO法人宅老所心の理事長を務める村田美穂子と申します。
宅老所心の本部があるのは、駒井沢町の旧集落内にあるかやぶき屋根の古民家です。
ここは、私の生家になります。
明治初期に建てられた約150年前の建物で、草津市内で現存するかやぶき屋根の建物は数件しかないとのことです。

前回葺替え直後の写真(平成15年)
このプロジェクトで実現したいこと

劣化が激しい屋根部分のかやぶきの葺き替えと、瓦の葺き替えなどを行い、風水害に耐えられるようにして、多世代が交流する居場所である『かやぶき心』を守り、存続していきます。

私たちの地域のご紹介

滋賀県草津市は琵琶湖の南部に位置し、東海道と中山道の分岐・合流の地で、天下を手中に収めようとした時の権力者たちにとっても、歴史上重要な場所でした。

駒井沢町は草津市の北部に位置し、元々は旧集落を中心とした静かなまちでしたが、幹線道路が開通して以降はスーパーやカフェ等の開発が進み、流入人口が多く現在も人口が増加しています。

宅老所心の本部のある『かやぶき心』では、法人本部としての機能以外に、地域のみなさんの交流の居場所になっています。法人事業として、毎週のランチ、月2回の地域居酒屋、そして月2回の子ども食堂をしています。ランチでは、認知症の人と家族の会の方が月2回来られ、介護をされている家族のご相談や息抜きの場としても使っていただいています。またそれ以外の日は、地域のみなさんからご連絡があれば、自由に居場所として使っていただけるようにもしています。健康マージャンをされたり、有志の食事会をされたり、子ども会の打合せをされたり。

プロジェクトを立ち上げた背景

かやぶきの葺き替えはだいたい15年周期と言われます。
かやぶき心では、法人設立前に葺き替えを行ったので、もう20年近くになります。
また屋根の外周にある瓦部分は建築当時のままで、約150年経つことになります。
近年では、ゲリラ豪雨などこれまででは考えられなかったような雨も降り、このままでは近いうちに雨漏れの被害が出ることになると言われています。
これらの状況から、緊急に修繕工事を行う必要があるため、本プロジェクトを立ち上げました。
これまでの活動

私は、35歳で介護の仕事に就き、有料老人ホームや救護施設で働いていたのですが、2003年(平成15年)に独立し、宅老所心を立ち上げました。
それは、地域のある90代のおばあちゃんからの一言です。
『美穂ちゃん、みんなが寄れる居場所をつくってぇな』

2004年(平成16年)に介護保険のデーサービス事業を開始したのですが、最初の頃は介護保険の対象外の方も訪れ、地域の高齢者のみなさんの、おしゃべりの場になっていました。
介護保険の認定を受けておられない方からの収入はないので、経営的には苦しかったのですが、地域の方に喜んでいただき私もとても嬉しく感じていました。

私の中のテーマは『地域』です。
地域で暮らす人々みんなが尊重され、このまちに住んでよかったな、最後までここで暮らし続けたいなと思ってもらえる地域がつくりたい。
そんな思いで事業をしています。

また、地域づくりは1人でするものではなく、みんなでつくるものとも考えています。なので、私は地域の中にどんなものが『あったらいい』のかを、地域のみなさんに集まってもらって話し合ってもらいました。市の地域包括支援センターの職員さんも来てくださいました。
そこで出てきたものが、『助け合い』と