伝統工芸の日常使いで生活を豊かに!金沢の体験型レストランで敷居が高いイメージ覆す

伝統工芸の日常使いで生活を豊かに!金沢の体験型レストランで敷居が高いイメージ覆す
価格や敷居が高いイメージのある「伝統工芸品」。実は100年以上使用されてきた自然由来の素材と技術で作られていて、長年使い続けられる堅牢性や手仕事ならではの美しさがあり、日常生活に取り入れることで生活を豊かにしてくれます。その魅力を知ってもらうため、金沢に伝統工芸品の体験型レストランを立ち上げました。

このページをご覧いただき、ありがとうございます。創業200年、石川県にある田谷漆器店10代目の塗師屋・田谷昂大(30歳)と申します。塗師屋(輪島塗作りの総合プロデューサー)として、輪島塗の堅牢優美(丈夫で美しい)さ、輪島の漆器文化、漆の魅力を日本や海外に伝えていくための活動を行っています。
私は、もともと家業を継ぐつもりはなかったのですが、大学進学で故郷を離れ、東京で1人暮らしを始めた時、転機が訪れました。家具量販店で買ったお茶碗を使った際、衝撃を受けたのです。自分が今までいかに素晴らしいお茶椀を使っていたのかと。

輪島塗のお茶椀は、香りが良く、手にすっぽりと馴染んで、手触りも違い、口当たりもなめらか。それに、冷めにくいなど、保温性も高いのです。

輪島塗以外の伝統工芸品も、美しいだけではなく、先人の知恵が詰め込まれていて、実は機能性が高い物ばかり。また、自然由来のものでできていますし、一つひとつ手作りされているため、人の温もりを感じることができる。そして、耐久性もあり、長年使い続けられます。私たちの生活をより豊かにしてくれるものなのです。

私は、伝統工芸品の多い石川県で18年間暮らし、伝統工芸品を日常使いしていたため、その魅力を当たり前のように感じていましたが、逆の立場で考えたらどうでしょう? 使用したことがないため、その魅力に気付いていない方も多いのではないでしょうか?

伝統工芸品といえば、百貨店やギャラリー、画廊に並べられているだけで、価格も高い。もともとは日用品として使われていましたが、現在では、何か難しい物、高価な物、使い方が分からない物と感じられている方も多く、特に若者の方はそれが顕著です。

また、伝統工芸品は、今、世界中で注目を集めているSDGs(エスディージーズ)の動きを体現しているモノだとも思います。

「リーズナブルなものを大量消費するのではなく、環境にいい質の良いものを長年使い続けたい」

そんな方たちは今、増えていると思いますが、選択肢の多い時代なので、情報を発信しないとその一つにも入らないのが現実です。ただ知らないだけで、良いものを手にとれないなんて、作る方、使う側、双方にとって悲しいし、もったいないことだと感じています。

伝統工芸品は大量生産されたものに比べると、価格が高いのは否めないですが、その分、機能性が高く、耐久性もあり、長期的な目で見れば、決して高い物だと、僕は思っていません。

そこで、そんな伝統工芸品を日常品に戻す「re-branding(remove bland image)」のため、実際に伝統工芸品の器で食事をしながら使っていただき、気に入ればその場で購入できるレストラン兼ショップを立ち上げました。

今まで伝統工芸品の体験は、製作や工房めぐりが主でしたが、実際に「使う」という体験ができるお店は中々存在しません。しかし「使う」という体験こそ、その工芸美、質感、耐久性、機能性が伝わるものだと思います。

製造体験や工房巡りでは、製作の苦労や価格のバックグラウンドは分かりますが、プロダクトの魅力はなかなか届かない。

輪島塗を中心に扱う私たちの理念として大きく掲げているのが、「ぬくもりを伝える」こと。輪島塗をはじめ、多くの伝統工芸品は実際に手に取っていただかないと伝わらない、本物の味や温もりがあります。使っていただいてその良さを実感し、伝統工芸品を日常使いとして使っていただきたいです。
■石川の伝統工芸品や食を体験できるレストラン「CRAFEAT(クラフィート)」について

石川県内や日本各地