アさんたちの負担があまりにも大きく、各々が無理をしながら気持ちで維持されている現状がありました。そんな実状に一石を投じたい。そんな想いがあります。
[購買部やCFでのご支援によって、たくさんの猫たちが譲渡に繋がっています]
ティアハイム小学校は、岡山県の中心にある自然豊かな高原、吉備中央町の廃校を再活用して運用している動物保護施設です。全国に点在する廃校は約6580校(平成30年度時点)。そのうち30%近くが用途の決まらないまま放置されており、問題とされています。「使われなくなった公共の施設問題」に同時に取り組むという社会的意義も含んでいます。
[この広大な敷地を最大限に活用できれば……]
年々増える?行き場のない犬猫たち
動物愛護法の改正により、保健所や愛護センターで犬猫の引き取りを拒否できるようになりました。ですが、事情があって飼えなくなる犬猫の数は、劇的に減少することはありません。むしろ、日本人の高齢化や単身化によって、行き場のない犬猫は増えつつあるという予想もあります。そんな行き場のない犬猫達は、民間の保護施設が引き取る(引き取らざるを得なくなる)ことがほとんどですので、現在はどこの保護施設も収容限界で、資金不足、人手不足に陥っている現状があります。
下のグラフは、日本の家庭でのペット飼育頭数の推移です。犬はやや減少傾向、猫は横ばいの傾向にあります。
※一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」の数値を元にティアハイム小学校がグラフ化。集計範囲が変わったため、2013年以前のデータはプロットしていませんが、犬飼いさんはやや減少傾向、猫飼いさんは横ばいという同様の傾向がみられます。
一方、保健所での引取り数は年々減っていて、殺処分数も急激な減少傾向にあります。
■全国の犬・猫の引取り数の推移
環境省 自然環境局 動物愛護管理室「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」より
つまり、ペットの総数はほぼ横ばいなのに、保健所での引取り数は急激に下がっています。それでは、今まで保健所で引き取られていたペット達はどこに行ったのでしょうか? その行先は、主に動物保護施設です。
動物愛護法が強化されても、野良猫が子供を産んで居付いてしまった、飼い主が病気や死去でペットを飼えなくなった、というケースは急激に無くなることがありません。
そんな行き場を失くしたペット達は、保健所が引き取らない以上、動物保護施設が預かる場合がほとんどです。一時的に保健所や動物愛護センターを経由する場合もありますが、そこから犬猫を引き出し、殺処分数を減らしているのは、やはり動物保護団体です。(保健所や愛護センターも里親探しを行って殺処分を減らす活動をしていますが、地域によって活動に大きく差があり、精力的なところからほぼ何もしないところまで様々で、活動が統一されていないのが現状です。)
動物愛護法によって保健所の収容数や殺処分が減ることは、とても良いことだと私たちは考えています。ですが、そのしわ寄せが、私たち動物保護施設に回ってきていることも事実です。
ティアハイム小学校に出来ること
上記のような理由で、日本中の動物保護施設は、どこも収容頭数が限界に近く、動物のお世話も資金繰りもギリギリでやっているところばかりです。当校ティアハイム小学校も例外ではありません。
また、当校は現在、保護ねこ活動のみを行っていますが、行き場の無い犬たちも保護していきたいという思いがあります。犬たちの保護もとなると、改築費や運用コストが増し、お世話スタッフ