iko/oda/sdgs/index.html)に代表されるように、少しずつ社会は変化してきています。とはいえ、まだ道半ばだということを私たちは肌で感じています。私たちは、彼らと一緒に日々を過ごしていくなかで、障害者と一括りにはできないそれぞれの個性や感受性を見てきました。その無邪気さや真面目さ、おもしろさ、そしてしたたかさも。どんなに重い障害がある方からでも、生き生きとした豊かな情動を感じ取ることができるのです。それは、ご利用者が私たち支援者だけでなく、見かけた方、出会った方、作品を手に取った方に働きかけるものがあることを意味するのではないでしょうか。
障害のある方たちのアート(エイブルアートとか、アウトサイダーアートなどと呼ばれたりもします)が、昨今話題になることが増えてきました。作品を見た方は、その独特の表現や感性に圧倒されてしまうでしょう。そんな作品を生み出すことは、(私たちが思ってもすぐに素晴らしいアーティストになれないように)一つの極致だと思います。
しかし、私たちは、創作活動を通して、どんな障害があっても「なにかができる」ことを社会に証明していきたいという気持ちで取り組んでいます。例えば麻痺があって、左半身が動かず、右腕の上げ下げしかできない方がいたら、その動きを使ってできることを考えます。自分の持てる最大限の力を使って少しだけキャンバスに色をつける。また、他の方がその上に少し色をつける、そうしてできたものは、重なりあい、混ざり合い唯一無二のものになります。私自身アートを学んだことはないので、定義など詳しいことはわかりません。しかし、全力でその人ができることを積み重ねて、そして積み重ねることを私たちはアートと呼びたい。平々ボンボンな私たちの平々ボンボンな日常から生まれた、非ボンなるアートなのだと思っています。
*動画は「武蔵野版アール・ブリュットが生まれるところ」。代島治彦監督制作。「つむぐと」に所属している事業所の制作風景です。
この社会は、様々な人や生き物で構成されています。そして、つい忘れがちですが、誰もが一人で生きていくことはできません。人が混ざり合い、重なり合って成立しているのです。だからこそ面白い。
私が生まれる以前から障害のある方ご本人やご家族、そして先輩支援者などの先人たちが、制度も何もないところから歯を食いしばって差別や偏見と戦い、育んできたもの。それは、「生きること」それ自体が素晴らしいのだというメッセージです。世界が変容しつつある今こそ、私たちはそれを引き継ぎ、新たな可能性を模索していきたいと考えています。
ここで紹介した、まだ誰も知らない、皆さんにとっては未知のモノたち。もし、いいモノだと感じたなら、どうか一歩踏み出してみてください。そして、手に取って日常(と言っても部屋着とかではないですよ)で使ってみて欲しいのです。まずはそれが始まりです。きっと今までにはなかった景色が見えてくるはずです。そして、その時、皆さんはなにを感じるでしょうか?それを私たちにも教えて欲しいと思います。
私たちは障害のある方たちを長年支援してきました。障害のある方の日々の生活を支えていくことが私たちの本業です。そこには自負もあります。しかし、新たな可能性ということを考えたとき、私たちの人的、時間的な不足、さらには制度的、金銭的制約による限界もまた感じるところです。ご利用者の可能性を花開かせるには、さまざまな方のお力添えが必要なのです。この取り組みをきっかけに、厳しいご意見やご感想、商品や協働の提