でありながらも、蒸留所公認で半ばオフィシャルボトルのような位置づけの商品をリリースできるまでの密な信頼関係を築き、蒸留所自体の知名度やブランド価値の向上にも寄与できるようなボトラーズにまで成長させたいと思っています。
プロジェクトのきっかけ
現在、世界的なウイスキーブームの中、ジャパニーズウイスキーは蒸留所ごとの細やかな原酒の作り分けやブレンド技術の高さで大きな評価を受けています。また、ミズナラはじめとした日本固有の木材を使った樽や、独自の技術により、世界的な評価を受ける銘柄も数多くあり、その人気はとどまるところをしりません。
それに伴い、2014年には9箇所しかなかったウイスキー蒸留所は、2021年現在34箇所を越えて、近い将来40箇所を越えることが見込まれています。そして2020年にはジャパニーズウイスキーが日本酒を抜いて日本産酒類の輸出金額の一位となりました。これは海外市場において、ウイスキーが日本を代表する酒類のひとつとなったといえます。
その一方で、ジャパニーズウイスキーにはボトラーズが存在しません。
ボトラーズとは独立系瓶詰業者とも訳されるのですが、蒸留所から原酒を購入し熟成することで独自の商品として販売する業態です。
ウイスキーの本場スコットランドでは、ボトラーズは150年以上前から存在しており、ボトラーズが、蒸留所から原酒を買い取ることにより、蒸留所は経営を安定させ品質を高めていくことができました。特にウイスキー業界が不況になり、苦境に陥ったときも蒸留所とボトラーズは互いに助け合いながら共に冬の時代を乗り越えてきました。
加水やブレンドを経てリリースされる蒸留所の定番商品と、ボトラーズのリリースするシングルカスクのカスクストレングスといった少量生産の商品が、ラインナップとして相互補完的な役割を果たし、時にボトラーズからリリースされる蒸溜所のハウススタイルに捕らわれない独自のリリース等もあって、業界全体として多彩な商品を提供してきました。
今回、世界で初めてジャパニーズウイスキーのボトラーズを立ち上げることは、ジャパニーズウイスキーの新しい価値を創出することに繋がるのではないかと考えております。それは日本のウイスキーの未来にも繋がることであり、皆様と共に、日本のウイスキーの未来を築いていきたいと考えています。
パートナー蒸留所
現時点で本プロジェクトに賛同いただいた蒸留所は以下の通りです。この他、現在進行形で調整中の蒸留所もあります。今後も素晴らしいお酒造りをしている蒸留所と、長期的なパートナーシップを築いてまいります。
・江井ヶ嶋蒸留所 (江井ヶ嶋酒造株式会社 )
・尾鈴山蒸留所(株式会社黒木本店)
・御岳蒸留所 (西酒造株式会社)
・嘉之助蒸溜所 (小正醸造株式会社)
・桜尾蒸留所 (株式会社サクラオB&D)
・三郎丸蒸留所 (若鶴酒造株式会社 )
※五十音順
富山県南砺市井波の熟成環境
「T&T TOYAMAボトラーズ事業」の熟成庫を建設予定地である富山県南砺市は、田んぼに囲まれて民家が点在する散居村がある地域として有名な地域です。
自然が非常に豊かで空気がきれいで、山の麓で田んぼも多い為、一年を通して適度に湿度が保たれています。そして気温も比較的安定しており、ウイスキーをゆっくりと育むためには最適な環境だと考えています。
さらに、南砺市井波は、木彫・木工の伝統工芸で有名な町で、その技術を活かしてウイスキー樽の修繕や製造を行うことができる職人がいます。既に、地元の南砺市産ミズナラを用いた樽の製造