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命と食の大切さを伝える福島弁の絵本(標準語訳・英訳付)を広めて地球を救いたい!
5 ~ 6 分
<はじめに・ご挨拶>
東京都国分寺市にある「コクブンジ肉バルTetsuo」というお店経営しております、月田賢と申します。出身は福島県南会津町で、東京で飲食店を経営し始めて20年になります。
コロナ禍では、絶品・簡単なお取り寄せ通販メニューが人気となりました。
私は子どものころ、家で1頭の和牛を飼っていました。
その和牛は毎年子牛を生んでいましたが、ある程度育ててはセリに出すという家畜生産農家でした。
母牛は、ずっと子牛を舐めて可愛がっていました。
ある日トラックが迎えにきて、親子が離れ離れにさせられます。
その時に流す母牛の涙をいつも見ていました。
小学校6年生までの記憶ではありますが、その影響はとても大きく、今でも牛と目が合うと、涙があふれてきます。私が飲食店を始めたのも、我々の命をつなぐために死んでいった家畜に対して畏敬の念をこめて、美味しく調理したいと思ったということがきっかけでした。
食べることは命を繋ぐことだと子供心に強く刻まれて以来、『命をいただきます』の大切さを自分の子どもに、そして社員さん、お客様にも伝えたいという想いで、飲食店の経営に取り組んできました。
今は新型コロナ感染拡大防止のため
なかなか帰省できていませんが
定期的に息子や社員さんと共に福島県南会津町に行き、
故郷との交流を深めています。
(写真左端は母)2011年には東日本大震災が起こりました。私の実家は直接的な被災は免れたものの、福島県の農業に対する風評被害は甚大なものでした。福島・東北の復興のために、私の仲間はもちろん、日本中の多くの方々からご支援をいただきました。今回のプロジェクトは、その恩送りになればと考えています。
仙台や福島の復興には日本中の仲間から物心両面の支援に協力いただきました。
現地での復興活動や、店舗での計画停電を体験し、
「生かされている命」「限りある資源」を大切にすることを忘れてはいけないと
10年目にして改めて感じています。
飲食業として食の在り方に向き合うようになったのはちょうどこの頃からで、2011年から人材育成の一環で、定期的に故郷の南会津町に行って農業に取組み、命をいただくことの大切さ、昔ながらの理にかなった農業・畜産をまずは自社の社員さんから教えていくことに着手しました。
自分たちで収穫した農作物をお店で提供し、育てる手間や想いをお客様に伝えることで、
自然に食品ロスへの意識も高まっていきました。
<コロナ禍で感じたこと>
新型コロナ感染拡大によって、私が経営する飲食店も大きな影響を受けました。食に関わる者として、改めて「命とは何か」、「持続可能な社会に再構築するために何ができるのか」に直面し、まずは人間の勝手な都合や驕り(おごり)を出来るところから正していかなければならないと痛感しました。
今すぐ自分にできることは何かと考えた時に、子どもの頃に見てきた母牛の涙を次世代に伝えていきたい、そして、経産牛の自然な美味しさを味わっていただきたいと思いはじめました。
<経産牛とは?>
経産牛(けいさんぎゅう)とは、子牛を生むためだけの母牛のことです。経産牛は出産回数が多くなるほど価格と味が落ちると言われていて、時に廃用牛として扱われ、ミンチになったり、肥料やペットフードなどに加工されたりすることもあります。
でも、経産牛は本当はとっても美味しいんです。
通常の牛は、2年〜3年で食肉となりま