種子島で採取した天然麹菌と島の天日塩から酵素の活性が残っている生塩糀を作りたい。

種子島で採取した天然麹菌と島の天日塩から酵素の活性が残っている生塩糀を作りたい。
4年前に種子島の空気中から採取した天然麹菌ですが沢山の人との出会いと助けがあって今があります。土着菌や野菜の在来種のように麹菌にもその土地に合った麹菌が存在していたのではないかと考えています。種子島の杉から麹作りの道具たちを手作りし、島の自然の恵みを生かした発酵食を展開してゆきたいと思っています

れでもシラミつぶしに連絡して漸く検査してくれるところを見つけカビ毒もなく黄麹菌だと同定されたのが 2018年1月。

それからは自分の採取した麹菌がどんなものなのか調べる為にこの麹菌から色々なものを作りました。 味噌、醤油、酢、味醂、甘酒、塩麹、醤油麹、酒種パンetc.

【秋田今野商店さんとの出会い】

そんな2019年3月。 発酵仲間との発酵旅で種麹屋さんである(株)秋田今野商店さんを訪れた折、開発部長の佐藤勉さんが私の採取した天然麹菌に興味を持って下さり、4種類の麹菌を(なんと私の採取した麹菌は4種類もあったのです。)純正培養して下さり、其々の酵素力価も調べて下さり『自然界から採取した麹菌であり遺伝子検査をすれば安全上の問題もない。』と仰って頂けました。

しかも4種類の麹菌のうちの1つはおそらく麹菌の原種に近いものであり、普通の麹菌の2~3倍の酵素力を持っており、褐変反応もとても強いということでした。 『この麹菌の特徴を生かして面白い塩麹が出来るだろう。』との佐藤さんの言葉に勇気を頂き種子島の天然麹菌から塩麹を開発しようと決意しました。 。

酵素力価が高いということは簡単に言うとこの麹で甘酒を作るととても甘い甘酒が出来て、塩麹を作ると素材の甘みや旨味がより強く出て肉や魚を軟らかくする力も高いということです。 そして麹は酵素力価が高いと褐変反応も高くなる傾向があるのでこの麹菌を米麹にすると白くならずに黒っぽい米麹になります。 麹の業界ではいつの頃からかより白い麹を求められるようになっていったので黒くなる麹は使われなくなってきました。 しかし、国語辞典にも女房言葉で清酒のことを『山吹』と言うと記してあるし、落語の『長屋の花見』でも『お茶の色』を酒にみたてて『おちゃけ(お酒)』というくだりがある。 昔の清酒は黄金色だったようだし、 昔は造り酒屋で酒粕が黒くなってしまった。という話しもよく聞きました。麹は美味しければ白くなくてもいいのでは? そんな想いも込めて今までにない塩麹を商品化します。 2019年11月には秋田今野さんにて種麹作りを教えて頂き、同時に選出した3種類の種子島天然麹菌から実際に米麹を作り其々の特徴を考察しました。 そして更に2種類の麹菌に絞りました。 1つは酵素力価も褐変反応の強いsy1。 もう1つは甘酒や清酒造りに向くsy4。 以来今日までこの2種類の麹菌で色々なものを醸す毎日です。

【麹つくりの道具たちを種子島の地杉で手作りしたい】

これからこの2種類の麹菌で色々なものを醸してゆきたいと考えていますが、先ずは主人の作る天日塩で他にはない塩麹を商品化したいと思っています。 そして商品化するにあたり麹作りの道具達を種子島の地杉を使って手作りしたいと思っています。 今までも拙いながら発酵に必要な麹蓋や卓上醤油搾り機や麹室など自由な発想で手作りしてきました。 麹室については明治 末期の酒造りの権威である野白金一先生が考案した温度による比重差を利用した自然循環換気システムである野白式麹室をオリジナルの発想で再現してみたりしました。

手造りの野白式麹室

今回新たに商品化に向けての麹作りの道具達を手作りするにあたり、種子島で古民家を再生し『植物園がある宿』や『バリアフリーの宿』などをプロデュースした一級建築士の内野康平くんが協力してくれることになりました。 島の色々な素材を生かして新しい建築法を試みた彼の作品はとても素敵で、どんな道具達が出来るのか私自信もとても楽しみです。

『いいものを 少しずつ 手作りで』

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