打楽器の新しい価値【リン青銅トライアングル】で安心を響かせたい

打楽器の新しい価値【リン青銅トライアングル】で安心を響かせたい
銅の合金である『リン青銅』を使用した、深く長い余韻を得られる珍しいトライアングルです。『リン青銅』はあまり聞いたことのない金属だと思います。主に精密機器や産業機械の部品に使用され、普段目に見えない部分で活用されています。銅は抗菌効果も高い為、この材料でトライアングルを製品化したいと思います

行わずに製品化しようと思った理由でもあります。

特に学校教育や家庭において、1つのトライアングルを多くの人が使用する事もあるかと思います。そういった場面において、抗菌性がある楽器というのは今後の生活様式においては大きなメリットになると思われます。

『リン青銅トライアングル』の特徴③【独特な音調と響きの良さ】

トライアングルと言えば、「チーン」という高い響きのある、澄んだ音色の物が思い浮かぶかと思いますが、実は昔から古今東西あらゆる材質や形状でトライアングルは作られ、演奏するシーンによって使い分けられてきました。

金属の違いは当然ですが、(中には銀製や真鍮、青銅もあるそうです)例えば同じ鋼鉄でも内部に含む炭素量が違ったり、棒の太さ、1辺の長さ、または焼き入れの温度や曲げる際の時間や角度によっても音は変わります。演奏者の使い方にもよりますが、トライアングルはそれらの要素で音の個性が色濃く出る楽器なのです。

そこで手に入る素材の中で、様々な金属を検討し、トライアングルにするための調査を行いました。

代表的な素材の硬さ(HBW:ブリネル硬さで比較)
鉄(SS400):130HBW(中質)
鋼鉄:200~300HBW以上(硬質)
銀:25HBW(軟質)
アルミニウム:50~100HBW(中軟質)
銅:70HBW(中軟質)
リン青銅:180HBW以上(中硬質)

このように鋼鉄は金属の中では比較的硬い部類の金属となります(もっと硬い超硬合金もあります)。そして硬い方が基本的には叩いた際に高い音になります。逆に硬度が低めの金属(銀、銅、アルミニウムなど)はそこまで高い音はしないそうです。

例えば金属ではない素材で木材や樹脂などは柔らかく、音もポコポコ、コンコンと低い音がします。また、金属と比べ軽いため、振動の伝達力も低く、音の余韻も短くなります。これを振動の減衰(ダンピング)と言い、物質の振動=空気の振動≒音となるので、振動がすぐに収まると音楽で重要な倍音が得られにくくなってしまいます。逆に金属よりも硬いセラミック(陶磁器やガラスなど)は音も高く、採用例としてはガラス風鈴などや、特殊なものだとガラス楽器(例えばグラスハープなど)などもあります。

しかしセラミックは硬い反面、外力や衝撃に弱く、破壊されやすいので、打楽器に使うのは一般的ではありません。また打楽器が音を奏でるのは硬さだけが影響している訳ではありません。叩かれた物質が長く振動する(高弾性)ことで、物質の中を巡る振動が空気中に伝わり、音となります。音の周波数変化や倍音などについて細かく解説すると長くなりますので割愛致しますが、トライアングル材料としては硬すぎても、柔らかすぎても、そして脆すぎてもトライアングルには不向きという事が分かりました。

それに引き換え、『リン青銅』には高いばね性があり、振動が長く続きやすい金属です。特に硬質な金属やセラミックではこの振動の長さはなかなか得られません。程よい硬さと高いばね性がトライアングルには最適であると感じ、『リン青銅』の中でもばね性に優れたグレードを今回は採用するに至りました。

では実際に音の違いを聞き比べてもらいたいと思います。

如何でしょうか?最初の鋼鉄製と二つ目以降の『リン青銅』製では全く音が違かったと思います。

もちろん鋼鉄にも色々な種類がありますので、全て同じとは言えませんが、音の余韻などは全く違うことが分かるかと思います。

『リン青銅』は特に長い余韻が得られることが試作結果から分かりました。しかしそれは果たして良いトライアン