はじめに・ご挨拶
このページを訪れてくださり、ありがとうございます!
あなたは、着物がお好きな方でしょうか。それともチョコレート?
あるいはエクアドルに思い入れや関係のある方でしょうか。
私たちは、日本とエクアドルが外交関係樹立100周年を迎えた2018年に、日本の方にエクアドルのことを知ってもらおうと結成したグループ「Ama la vida(アマ・ラ・ビーダ)」(スペイン語で「生(命)を愛する」という意味で、エクアドル政府のキャッチフレーズでもあります)の3人です。
なんと100年前にエクアドルに渡った日本人の中には、1000円札でお馴染みの野口英世博士がいらっしゃって、1000円札の写真は、エクアドルの最大都市グアヤキルで当時撮られたものだそうです。あまりエクアドルを知らない方にとっても少し身近に感じてもらえるのではないかと思います。
さて、『KIMONOプロジェクト』という活動を、ご存じでしょうか。全世界の国や地域をモチーフにした着物を制作するという、壮大なプロジェクトで、2020年、213全ての国や地域に1着ずつの着物が完成し、公開されました。
「KIMONO プロジェクト〜Imagine one world〜」
私たちが、エクアドルのKIMONOを初めて見たのは、2019年、駐日エクアドル大使よりエクアドルの独立記念日の式典に招待されたときでした。そのときの衝撃と感動は、今でも忘れられません。振袖と帯という日本の伝統文化に、エクアドルという遠く離れた異国の地にある「4つの世界」が見事に表現され、会場に飾られていたのです。
【4つの世界】
「エクアドルには4つの世界がある」。これはエクアドルを紹介するときによく使われる言葉です。日本よりも小さな国土面積に、アマゾンの熱帯雨林地方、雪を被ったアンデスの高山地方、ビーチが広がる海岸地帯、そしてガラパゴス諸島。この4つそれぞれの地域で、気候も、季節も、風習も、言語も、文化も、人も全て異なり、とても一
言で「エクアドルはこんな国」とは言えないのです。(地域によって学校の入学の時期も違います!)
逆に言うと、とても「おいしい」国とも言えます。1国で4国分楽しめる。ちょっと移動する毎に、別の国を訪れたような変化があり、その風景から目を離せなくなります。そしてそんな世界が、エクアドルのKIMONOの中に凝縮されて、表現されているのです!
「おいしい」といえば、カカオ発祥の地として知られているエクアドルですが、素晴らしい質のカカオが採れる産地はこの4つのうちの、海岸地帯とアマゾン地帯になります。
右から、アマゾン熱帯地域、アンデス高山地域、海岸地域(海洋)、そして左上にガラパゴス諸島が表現されています。
この着物を制作された作家の赤地暁さんは、東京のエクアドル大使館にバルベリス駐日大使を訪問して、エクアドルという国について深くお聞きになり、この着物のデザインに着手されたとのこと。行かれたことがない国を、着物という1枚のキャンバスに描かれ、それを伝統技術をもって作り上げるのには、相当の熟練した技とイマジネーション、さらにはプレッシャーやご苦労があったのではないかと思います。
エクアドルのKIMONO制作者
赤地 暁 Satoru Akaji
加賀友禅統工芸士 赤地暁染色画工房 主宰
1960年 金沢市生まれ
2013年 第39回 加賀友禅新作競技会「石川県知事賞」受賞
2020年 第62回 伝統加賀友禅工芸展「銅賞」受賞
など、数々の賞を受賞
花鳥風月と四季折々の豊かな自然をコンセプトに、「着る人をより美しくするキモノ」を理想として、新しい構図と彩色を常に追求されています。
バルベリス駐日大使と赤地さん
ファウンダーの高倉さんと共にエクアドルの情報を調べていらっしゃいます。
出来上がった着物は、まさに日本とエクアドルを最高に美しく繋げる「架け橋」となっていました。エクアドルの多様で緻密な自然の美しさと繊細な着物という文化が、見事に組み合
わさり、火山、ゾウガメやイグアナ、クジラ・・・など一見着物と合いそうにないものが、作品の上に乗ると不思議と違和感なく感じられました。そしてモデルさんに着てもらって、一層良く馴染み、まるで日本とエクアドルの文化が融合して溶けた感覚さえ感じることができました。
モデルはエクアドル人のソランジさん(美しいきもの撮影日に奥野撮影)
ガラパゴス諸島の島がゾウガメの甲羅に見立てられています。そして分かりづらいですが、写真の左下には、ウミイグアナの姿も表現されています。
波やしぶきの表現も、海の色の濃淡もとても素敵です。
袖の反対側には、やはりガラパゴス諸島に自生するウチワサボテンと、陸上生態系の頂点にいる固有種ガラパゴスノスリが、赤道下の太陽の光と共に描かれています。
エクアドルには、富士山よりも高い山が20以上あります。赤道直下なのに、万年雪をかぶり、中には「南米の富士」とも言われる、富士山にそっくりの山もあるんです!
ご存じ方も多いと思いますが、地球は赤道方向に楕円になっており、エクアドルの最高峰チンボラッソ山(6310m)は、世界一高いエベレストよりも、地球の中心から山頂までの距離が長い…つまり地球上で最も太陽に近い場所、としても知られています。
また、カトレア(洋ラン)の原産国でもあるエクアドル。着物を着たときに、ちょうど正面に来る位置に、大きなカトレアが華やかに描かれています。
キトから見えた「コトパクシ山」
【太陽と世界の中心】
4つの世界にかかるのは、着物の右肩から降りそそぐ太陽の光です。エクアドルはスペイン語で「赤道」という意味で、世界で最も赤道に近い首都がエクアドルのキト(Quito)です。キトの近郊には「世界の真ん中」という名の赤道記念碑があり、赤道を挟んで、南と北を足で跨ぐこともできます!
「世界の真ん中」があり、「太陽に一番近い」場所があり、そして「赤道」という名の「エクアドル」。このエクアドルを象徴する赤道下の太陽をも、KIMONOの中
に取り入れ表現された、赤地さんのセンスと技巧に心から尊敬の意を表したいです。
【帯もお忘れなく】
最後にどうしてもお伝えしたいのは、エクアドルの「金」が表現された帯です。南米大陸の西部で栄えたインカ帝国がスペインに征服されたとき、スペインの方は、インカ帝国第2の都市だったキトを、キリスト教布教の拠点に据え、金をふんだんに使用した教会を多数建設しました。
この金は当時のエクアドルで採れたもので、まさに「エルドラド(黄金郷)」ならではの装飾ですが、スペイン人の権威の象徴にもなりました。
これらの教会群は、ガラパゴス諸島と同じ1978年に、最初の世界遺産として登録されています。この教会群の中で、金箔の量が最も多く、南アメリカで最も美しい教会と言われる「ラ・コンパーニャ教会」の金の装飾をイメージされ、これに日本伝統の模様(華文)を組み合わせて創られたのが、エクアドルのKIMONOの帯です。
琥珀色の壁の色を金の濃淡で表現し、格調高い華文柄を創意工夫のもとに制作した手織の作品。地組織にもさまざまな金属糸を用いることで複雑な質感を醸し出し、教会の持つ威厳を損なわないよう配色は、華美にならないよう工夫が凝らされています。 金という華やかな中に、日本の落ち着いた文様が合わさり、とても美しく、そしてエクアドルらしさもあり、また着物とも良く合った帯で、振袖と帯の組み合わせによって、自然美と歴史の融合さえも表現されているのです。
OBI制作者
西陣まいづる Nishijin-Maizuru
明治40年創業。美しく魅力的な織物を作り続けること。世間でお役に立ち、必要とされる織物を作り続けること。志を強く持ち、謙虚に学び、時代の変化に対応した織物を続けていくことをポリシーに「ものづくり」をされています。
【一番大切なのは、やっぱり「人」】
最後にここで、エクアドルのKIMONOに唯一表現されていない、エクアドル最大の魅力をお伝えします。それは私たちをいつも温かく受け入れてくれる太陽の
ようなエクアドルの人々です。でも表現されていなくていいのです。なぜなら着物は人が着ることで受け継がれるからです。このKIMONOは日本とエクアドルの「人」によって継承され、今後も両国の人々により守られていきます。
【人生は、うれしい!美味しい!楽しい!の連続だ】
さて、私たち3人は、エクアドルの固有種アリバカカオをレイズトレード(讃井)、アマゾン熱帯雨林の先住民アチュアル族と連携した社会変革(鳥谷部)、ガラパゴス諸島の保全活動の支援 (奥野)を通じて、日本とエクアドルを繋ぐ活動をしてきました。それぞれがエクアドルの魅力に取り憑かれ、この「うれしい!美味しい!楽しい!」という幸せが詰まった「命を愛する」国を、日本の皆さんに紹介したい、という強い気持ちに動かされてきました。そしてこのKIMONOは、そんな日本とエクアドルを繋いできた私たちにとって、これまで築いてきた両国間の友好や絆を体現してくれたものです。
さらには、これまでエクアドルと日本と繋いでくださってきた先人達の足跡や功績、努力やご苦労の結果として、2つの国の文化の融合という形で表されたものでもあります。
日本の皆さんにこの着物を紹介して、もっとエクアドルを知ってもらいたい。
エクアドルの皆さんにこの着物を紹介して、もっと日本の文化を知ってもらいたい。
これから続いていく次の100年に向けて、野口英世さんの写真のように、「100年前の着物だよ」と両国で語ってもらえるような存在にしたい。日本とエクアドルの友好の証として。
エクアドルは南米の中でも小さな国で、ペルーやブラジルのような大きな日系社会もなく、エクアドルに住む日本人も、日本に住むエクアドル人も数百人程しかいません。旅行に行かれた方はいらっしゃるかもしれませんが、深く関わる方は多くなく、日本での知名度は「ガラパゴス諸島」くらいでしょうか。でもこんなに魅力の詰まった、素晴らしい国なのです。
そしてこのプロジェクトのリターンは、そんなエクアドルの魅力
が詰まったものを選びました。沢山の太陽を浴びて栽培されたカカオから作られたチョコレートと、世界遺産の地で栽培されたガラパゴスのコーヒーなど、皆さんにぜひ1度試して頂きたいものです。
【皆さんにお願いしたい支援】
皆さんにお願いしたいのは、この日本とエクアドルの「架け橋」となる、エクアドルのKIMONOの制作費200万円のうちの一部です。200万円という額は、各国一律の制作費で、振袖の制作が100万円、帯の制作が50万円、その他小物類が50万円。全額が制作者の方に支払われることになります。着物のことをご存じでなくても、世界でたった一つのオリジナルの最高級の着物として、決して高すぎる金額ではないことは分かって頂けると思います。
エクアドルのKIMONOの資金はまだ集まっておらず、制作者の方にとっては、ご自身が作ったKIMONOが受け入れられていないのではないかと、もしかしたら不安に思われているかもしれません。素晴らしい国の、素晴らしい着物を作ってくださった制作者の方に、資金が集まったことを、一日も早くご報告できればと思っています。
エクアドルを、そしてエクアドルのものを愛する皆さんのお力を、どうか貸してください。
私たちは、このKIMONOを使って、次に続く100年に向け、両国の絆を紡ぐ活動をします。
これまでの活動
◆2018年10月12日~17日
日エクアドル外交樹立100周年に ”カフェ・スロー” でエクアドルweekを開催しました。エクアドルの音楽や美味しい食べ物、アマゾンの映画自主上映、ガラパゴスの写真展などを行いました。
エクアドルの4つの気候を代表して、それぞれの活動や課題、これからを語ったエクアドルトークショー(左から讃井・鳥谷部・宇野(NPO法人アジア太平洋資料センター)・奥野)
◆2019年9月30日
アルゼンチン音楽同好会主宰のCena de Amor (エクアドルの夕べ)にて
着物の展示をさせていただきました。
エクアドル音楽の代表
で、文化大使として世界的に活躍するバンドSISAY(シサイ)のチャリティーディナーショー
◆2019年10月
「美しいキモノ」冬号にて、奥野玉紀が和楽庵さんに取材されました。
◆2019年12月
在日エクアドル大使公邸にて、バルベリス大使、ご家族と。
お嬢さんにエクアドルのKIMONOを着用していただきました。
素敵に着こなしてくださっています。
きものが大好きでエクアドルから留学をしているニコルさん(左端)。大使ご家族の着物は彼女が着付けてくれました。
◆2020年10月16日~18日
「2020着物に世界を映す」展覧会
京都市京セラ美術館にて213枚の着物と帯を展示
KIMONOプロジェクト発起人、高倉慶応氏と
福岡県久留米市で呉服屋「蝶屋」 を営んでおられる高倉氏より、プロジェクトにかける想いを伺っているうちに、エクアドルとの文化交流に活用したいという想いと、日本の伝統技術の継承や発展にも貢献したいと思いました。
資金の使い道
着物の製作費は合計200万円です。
(内訳:着物代100万円 帯代50万円 仕立・小物代50万円)
今回は、まずそのうちの150万円を集めさせていただきます。
(リターンの費用・送料、CAMPFIREさんへの手数料他事務費用を含みます。)
リターンについて
◆KIMONOプロジェクト応援コース(1,000円)お礼のメール
◆KIMONOプロジェクト応援コース(3,000円)お礼のメール、HPにお名前掲載
◆チョコで応援コースA (5,000円)お礼のお葉書、2,000円相当のチョコレート、HPにお名前掲載
◆KIMONOプロジェクトポストカードで応援コース(10,000円)お礼のお葉書、HPにお名前掲載
◆チョコで応援コースB(10,000円)お礼のお葉書、5,000円相当のチョコレート、HPにお名前掲載
◆『アチュアルの夢』DVDを見て応援コース(10,000円)お礼のお葉書、アチュアルの夢DVD(3,888円)、H
Pにお名前掲載
◆ガラパゴスコーヒーで応援コース (10,000円)お礼のお葉書、ガラパゴスコーヒー150g、HPにお名前掲載
◆KIMONOプロジェクト-グアヤキルコース(30,000円)お礼のお葉書、福袋グアヤキルセット、HPにお名前掲載
◆KIMONOプロジェクト-キトコース(50,000円)お礼のお葉書、福袋キトセット、HPにお名前掲載
など、エクアドルの底力が詰まった返礼品をご用意しています。
実施スケジュール
2021年3月下旬 クラウドファンディング開始
2021年5月31日 クラウドファンディング完了
2021年6月1日~順次 リターンの発送
最後に
ここまでお読みくださってありがとうございます。
私たちが取り組む課題は、単にKIMONOの制作費が集まれば良い、というものではありません。なぜならKIMONOを作っただけで両国が繋がるわけではないからです。これまで私たちが、守り育ててきた両国を繋ぐ物─カカオや自然、民族や文化などと同様に、このエクアドルのKIMONOを守り活用し、これを媒介にした、様々な出会いやご縁により、両国の友好関係を一層強固にすることがこのプロジェクトの目的です。
アンデス地方に昔から伝えられてきた話に「はちどりのしずく」という物語があります。
それはこんなお話です。
森が燃えていました
森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました
でもクリキンディという名の
ハチドリだけは いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」
出典:「ハチドリのひとしずく」 辻 信一監修 光文社刊 2005年
これまで、多くの方の「ひとしずく」で日本とエクアドルは繋がってきました。未来に続くこの関係を、ぜひあなたのひとしずくで応援してください。
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。