初めまして、カメラマンの武藤 裕也と申します。
この度、ひとつの想いを抱える中で様々なご縁をいただき、本プロジェクトを立ち上げさせていただく運びとなりました。
それはタイトルにある通り、「遊牧民が育てた天然皮革のカメラストラップ・撮影アイテムを適正価格で販売したい!」というものです。
このプロジェクトが成功することで現地モンゴルに正しく経済が流れ、以下2つの価値が実現します。
・伝統的なモンゴルの文化を守る。
・貴重な資源とその価値を守る。
大きな価値があるプロジェクトではないでしょうか?
今でも人口の約20%が遊牧民のモンゴル
みなさんは、モンゴルにどういったイメージをお持ちでしょうか。
昨今、近代化が目覚ましいモンゴルですが、歴史と伝統を残す現地においては、今でも人口の約20%は遊牧民です。
日本の4倍もの広大な土地には多くの家畜(牛・馬・ヤギ・羊・ラクダ)が放牧されており、どこに行ってもその姿が見られます。
現在も家畜からとれる肉を主食とし、革製品は伝統衣装や日用品として身近に使われており、まさに自然の循環と生活の全てに溶け込んだ姿がそこにはあります。
続く経済格差、貧困の問題
そんなモンゴルですが、2000年前後は経済が不安定となり、「マンホールチルドレン」と呼ばれる子供たちが街に溢れかえりました。冬になればマイナス30度、世界一の極寒地で寒さをしのぐため、マンホールで過ごす子供たちが3000人を超えるという悲惨な現状でした。
それから20年、現在はモンゴル全体的な経済的数値は向上したものの、貧富の差が大きくなったことも事実です。首都ウランバートルの中心部では高級車が走る一方、20分も郊外へ走れば、今でも崩壊寸前の家に住んでいる人たちがいます。
この問題は解決できないものなのでしょうか。
左上:ウランバートル郊外の住宅
右上:お祝いにプレゼントされていた高級車
モンゴルレザーと生産現場の現状
このような現状を何とかしたいと、私たちは調査を進める中で、ひとつの事実を知りました。
それはモンゴルレザーを取り巻く現地の状況です。
冬はマイナス30~40℃まで冷え込む環境、そんな中で育つ家畜の革は、とても丈夫できめ細かい高品質なものとなります。実際に世界的に有名なヨーロッパ製のブランド品においても利用されるほどです。
本来であれば自国の富となるはずのモンゴルレザーですが、高価品となる過程においては中国やヨーロッパ諸国に一旦原革を安く買い取られ、海外ブランドとして市場に出回るため、当のモンゴルはレザー産業で豊かになる機会を失っています。
なぜこのようなことが起こるのか。
それはひとえに、モンゴルに「産業力」が無いことが最大の原因です。
(産業力=デザイン力・ブランド力・鞣し技術・生産力、等)
実際、モンゴルのデパートに行くと、ひとフロア全体が様々な革製品で溢れるほど資源は豊富なのですが、デザイン等の観点から購買意欲が湧きにくいものばかりです。
このままモンゴルレザーが国内経済に対し助力にならなければ、やがては長年大切にされてきた伝統的文化が衰退の一途をたどってしまいます。
ゲルの前に積まれる羊革
(盗まれても構わないという意識で屋外に放置されている)
モンゴルレザーを活路に
これら「中抜き」といえるような現状を改善するため、我々がこれまでに培ってきた経験を活かし、現地でデザインやブランディングを助力することで、モンゴル国内のみにおいて生産と販売を直結した体制を構築します。
また、次世代のビジネスモデルである「D2C(Direct to Consumer)」組み入れることで、本プロジェクトをより加速させ、より強固なものとしていきます。
(顧客との関係構築に優位性を発揮するD2Cにおいて、製品のデザイン公募なども展開予定。)
それらはモンゴルレザーとしてブランドとなります。
そうすることで現地モンゴルの方々が革を日常的に使う生活、並びに商品として売る文化は残した上で、豊かさも実現することが出来ます。
「D2C(Direct to Consumer)」を組み入れ、本プロジェクトをより加速させる
魚を渡す支援ではなく、釣り竿と技術を伝える支援を
NPO法人などが途上国に学校や図書館を作る活動を目にすることがあると思います。そういった支援は一度作ったら終わりでなく、施設維持のために金銭的な支援を続ける必要があります。
私にそのような資金力はありませんが、本プロジェクトの生産モデルを実現出来れば、それらは成長し、その過程で雇用は生まれ、現地の人々は産業力を養うことが出来ます。そうなれば必然的に現地が抱える根本的な問題(技術不足による搾取)が取り除かれ、やがて正しい形でモンゴル国内