子どもたちにいのちの大切さを伝える動画を作りたい。犬から学ぶいのちの授業の教材化

子どもたちにいのちの大切さを伝える動画を作りたい。犬から学ぶいのちの授業の教材化
ペッツ・フォー・ライフ・ジャパンでは犬とのふれあい通じて命の大切さ慈しみの心、倫理(人として守るべき道)を学んでもらう教育活動として「いのちの授業」を行っています。いのちの授業の内容を教材として動画を制作し、自宅や学校等教育現場でも学ぶ機会を作ります。

NPO法人ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン事務局長の石本理佐子です。

私達ペッツ・フォー・ライフ・ジャパンは”小さな子どもやお年寄り”が安心して暮らせる、思いやりにあふれた社会に暮らしたい。そんな思いから発足した団体で2000年6月から活動をスタートし、2020年に20周年を迎えました。

人の社会の中で生きる、もっとも弱い存在、”ペット動物” に対する思いやりの心を広げることから、”人と人” へと思いやりの連鎖を広げること目的とし、子どもたちへの「いのちの授業」、ペットの飼育相談・しつけ方教室・新しい飼い主探し・街頭啓発などのさまざまな動物福祉活動を行っています。

保護犬と猫 お互いの存在になれる社会化トレーニングの様子

ペッツ・フォー・ライフ・ジャパンでは、犬とのふれあい通じて命の大切さ慈しみの心、倫理(人として守るべき道)を学んでもらう教育活動として「いのちの授業」で行っています。

今回のプロジェクトでは「いのちの授業」の内容を動画にし、自宅や学校など教育現場でも学べる教材化を企画しています。

具体的に、通常低学年・高学年向けの授業内容があり、各1回1時間で実施している「いのちの授業」を子どもたちが集中して視聴できる5分程度の動画にして、7本~10本製作します。

ストーリーを分ける事で、伝えたい項目を1本にまとめ、より子ども達が集中して学ぶことができ、1つ1つの動画に対して感じたり考えたことを振り返ることができます。

そして、動画制作をプロに委託することで、クオリティーを向上し、より見やすく伝わり易い内容になることを期待しています。

過去に行った保育園でのいのちの授業の様子

「いのちの授業」では日々、保護現場で働くスタッフの伝えたいことを取り入れている他、制作予定の動画では過去に開催した「いのちの授業」で保護者の方から頂いたご意見や、実際に教育現場で活動されている方々の意見を取り入れ、子ども達に伝わり易い内容の台本を用意しています。

いのちの授業 低学年と高学年向けプリント
受講しながら書き込み、自由研究や夏休みの宿題に活かせるよう工夫しています

この度の新型コロナウィルス感染拡大を受け、対面で授業やふれあいを出来ないことはもちろんですが、子ども達の中には動物へのアレルギーのため「触りたくても触れない」という子も多くいます。今回、動画が制作できれば、普段「いのちの授業」に参加できない子ども達にもいのちの大切さを伝えることができると考えています。

私たちの団体には日々、様々な事情で犬猫を飼育ができなくなった、保護してほしいという相談が寄せられます。

飼育放棄の理由の多くは「繁殖した」「引越し先に連れていけない」「入院のため世話をする人がいない」「自分の子どもが生まれたから」「こんなに大変だとは思わなかった」「死ぬのを見たくない」など、ほとんどが人間の都合による飼育放棄の相談です。

飼育放棄を未然に防ぎ、動物の習性への理解を深め、正しい知識を知ってもらうために当団体ではしつけ教室や子ども達に命の大切さを伝える「いのちの授業」といった啓発活動を行っています。

お散歩体験 日々のお世話、しつけ、時間を費やすことが必要ということを伝えます。

近年、動物番組など動物たちへの関心が高まる一方、犬や動物を飼う家庭が年々減っており、子ども達はいのちを身近に感じたりふれあう機会が少なく、どのように接すれば良いのか戸惑う様子が見受けられ、命の尊さを実感・正しい飼育について学ぶ場が減少傾向にあると感じています。

そして、残念なことに全国の警察が昨年2019年に摘発(逮捕・書類送検)した、動物を虐待したとする動物愛護法違反容疑の件数は前年より21件多い105件、検挙人数126人と統計がある2010年以降で最多であり、動物を捨てる遺棄が最も多く、その他、餌を与えず不衛生な環境での飼育や殺傷する行為もみられました。

犯罪や家庭内暴力などの人間に対する暴力の陰・予兆として動物虐待があるとも言われており、ペッツ・フォー・ライフ・ジャパンでは飼育放棄未然に防ぐとともに、将来を担う子ども達に正しい知識と命の大切さと他者を思いやる心を伝えることは今後、社会問題を解決していく上でも、私達の大きな使命・役割です。

保護者にもサポートの方法をお伝えすることで、子どもたちはより安心してふれあいができます。

しかし、この度の新型コロナウィルス感染拡大を受け、小学校での訪問授業や保護施設に保護者の方々・子ども達を招いて行ういのちの授業が今年度すべて中止となりました。

2021年も再開の目途が立たない中、子ども達の心身は成長し続けます。

子どもの感受性豊かな時期に教材動画を見ることで動物たちへの理解を深めるとともに情緒性を