「夜の果樹園」発、長く愛されるフルーツ商品を世に出したい!!
▶ごあいさつ
はじめまして。「夜の果樹園実行委員会」代表の熊坂仁美(くまさかひとみ)と申します。2011年の東日本大震災のあと、生まれ育ったふるさと福島市にUターンし、3年前から仲間と一緒に果樹園さんのご協力のもと、果物畑をライトアップする「夜の果樹園」という集客イベントを行っています。
福島市は、桃・なし・リンゴ・サクランボ・ブドウ・柿など四季折々の果物が生産され、とりわけ「桃」は全国2位、中でもさわやかな甘みと固めの果肉が特徴の「あかつき」は福島のオリジナル品種として不動の人気です。
7月下旬から8月中旬にかけて最盛期となるエース品種「あかつき」
▶「フルーツ王国」をもっと知っていただくために
果物の種類の豊富さと品質の高さから「フルーツ王国」と名乗っていますが、宣伝不足からか、残念ながら全国的にはそこまで認知されていないことがこれまでの課題でした。
そこで、福島の「フルーツ王国」らしさをアピールしようと2018年から観光農園(まるせい果樹園)の一角で始まったのが「夜の果樹園」です。夏は桃、秋はリンゴの年2回行うライトアップイベントで、フルーツをお洒落に飾り付けしたり、会場内に作られた果樹園バーで特別ドリンクを楽しんでいただいたりなど、毎年バージョンアップさせてきました。
地域の皆さんのご協力を得て、これまでたくさんの方に楽しんでいただき、昨年は特にインスタグラマーの皆さんに注目されたりと、SNS上でもだんだん知られるようになりました。
2020年林檎はハロウィンがテーマ。可愛らしいお客様もご来場
金曜夜の「Chillナイト」ではDJブースも登場
2020年は合計10日間という、これまでにない日数で開催することができました。
▶年間を通じて販売できる「フルーツ商品」を作りたい!
来場者には大好評のイベントですが、大きな課題がありました。
それは、LEDの電池代や、ライトを取り付ける人件費などコストのかかる野外でのイベントのため、一年に10日程度の開催だけでは採算が取れないということです。日数を増やしたくても、果樹園さんは通常営業を行っているため、畑を占有してしまうイベントは10日がほぼ限度に近いのです。
果実を傷つけないように樹木ひとつひとつにライトを取り付け、深夜に撤去する作業は重労働
地域づくりイベントということで、これまでは自治体や国の補助もいただきながらなんとか運営してきましたが、このままずっと自立ができない状況では、本当の意味で地域づくりに役立っているとは言えません。
そこで考えたのが、年間を通して福島のフルーツを楽しんでいただき、なおかつ地域に利益をもたらすことができる「オリジナル商品」づくりです。
これを夜の果樹園の通販サイトで販売することで、果樹農家さんのお役に立ちながら、持続可能なイベントとして自立の道を開いていきたいのです。
福島の美味しくて新鮮なフルーツを使い、全国配送に耐えられるだけの日持ちがし、できれば機能性もある。そんな商品はないだろうか。。。
そこで思い浮かんだのが、こけしで有名な「土湯温泉」にあるお洒落なホステル「YUMORI」に行った際、お風呂上がりに飲んだ、すばらしく美味しいフルーツ甘酒でした。
YUMORIで提供する甘酒は湯治客に大人気
外国人や長期滞在者に人気のホステル「YUMORI」
▶歴史ある湯治場から生まれた「美しくなる糀=美糀(びこうじ)」
国立公園内にある福島市の土湯温泉郷は、湯治場として587年の歴史がある山間の温泉地です。
土湯温泉郷(福島市)
YUMORIの姉妹館にあたる老舗旅館「山水荘」では、渡邉和裕社長の発案で、免疫力を上げる発酵食品の効果に早くから着目、研究を重ねてきました。
2019年にオープンしたYUMORIには「糀工房」が併設されており、女性や若い層に向けた、糀を使った甘酒ドリンクの開発を行ってきました。
YUMORI内にある麹工房
一言で「甘酒」と言ってもいろいろあります。酒粕をお湯に溶かして砂糖を入れて作る酒粕甘酒、そして麹と米を発酵させて作る麹甘酒と、作り方も二種類あります。そして同じ麹甘酒でも、使用する米や麹のタイプによって出来映えが変わります。特に発酵の進行を握る麹は重要な役割を果たします。
YUMORI麹工房では、いろいろな麹で試作した結果、福島県本宮市の糀専門店「糀和田屋(こうじわだや)」製のものを採用しています。
「麹和田屋」の創業は1764年
そして2020年に生まれたのが「美しくなる糀」という意味の「美糀(びこうじ)甘酒」です。YUMORIではこれを併設のカフェラウンジで販売しています。
老舗の麹を使った甘酒