はじめに・ご挨拶
こんにちは、僕たちは洲本高校科学技術部です。学校は兵庫県の淡路島洲本市にあります。洲本高校は創立123周年を迎える伝統校で、文武両道が特徴です。科学技術は現在、部員13 名が所属し活動しています。2018年度からロケットを研究テーマの中心に研究活動しています。最初は黒色火薬を燃料に用いたモデルロケットを打ち上げていましたが、今は自分たちでロケット燃料を開発し、オリジナルの燃料でハイブリッドロケットを打ち上げようとしています。現在の部員は全員2年生です。このプロジェクトは僕たちのクラブ活動での研究の集大成として引退記念のメインイベントとして企画しました。どうか応援をよろしくお願いいたします。
このプロジェクトで実現したいこと
ハイブリッドロケットは大学の研究室や、ロケットサークルで盛んに打ち上げられていますが、高校生が自力で作成、打ち上げにチャレンジしているケースは全国的に見ても大変珍しいです。しかも市販品を使わずにオリジナルの燃料や3Dプリンタで作った自作のパーツで機体を組み上げようとしています。最低目標の高度を淡路島の最高峰、諭鶴羽山(標高608m)に設定し、何としても”淡路島で一番宇宙に近い場所”に到達したいと思っています。
プロジェクトをやろうと思った理由
ハイブリッドロケットはお金がかかりすぎて、自分たちが取り組むには無理だと思っていました。しかし、愛媛大学工学部の中原真也先生やロケット工学に精通されている先生方がペットボトルを酸素タンクに用いた「ペットボトルハイブリッドロケット(PHR)」を教育用に開発されていることを知り、自分たちもやってみようと思い立ちました。その燃料を砂糖など身近な糖類で作ってはどうか、考えました。これは小説「ロケット・ボーイズ」に感銘を受けたからです。さらに福岡大学工学部の川端洋先生や(株)うちゅうの八島京平先生、徳島大学ロケットサークルなど多くの方が研究指導を行って頂くこととなり、このプロジェクトを昨年8月頃から始め、出力燃焼実験と呼ばれるエンジンの推力を測る実験を行いました。私たちの研究の結果、糖を用いたロケット燃料は市販のABS燃料より安価であることがわかりました。海藻類には豊富に糖が含まれているので、浜辺に打ち上げられた海藻を利用すれば安価でエコな燃料をつくることができます。安価でエコな海藻燃料のハイブリッドロケットを600m以上の高高度に打ち上げ、私たちのロケット燃料が実用に近いことを証明したいと思っています。
これまでの活動
【空気抵抗を少なくする】
ロケットの各パーツに注目し形や大きさなどを変えどのパーツが優秀であるのかを調べるために下のようなロケットの空気抵抗を測定する装置(風洞装置)を作成しました。
この風洞実験に加えて、打ち上げ実験も行いその結果、丸形の羽と円錐型のノーズコーンが優秀であると結論付けました。
【ロケットのエンジン開発】
ロケットの機体については決まったので今年は大きなエンジンを輸入し打ち上げようと思ってっていたのですが、様々な要因により輸入が困難になってしまったので、自分たちの手でエンジンを作ることを決めました。
どんなエンジンにするかみんなで話し合ったところ、糖を用いたエンジンなんて面白いのではないかという話になりました。
そこで、エンジンを作るにあたって、どの糖が一番エンジンとして優秀なのかを調べることにしました。今回の実験で使用する糖は、入手のしやすさなどから単糖類としてブドウ糖、二糖類としてショ糖、多糖類としてデンプンを用い