はじめに
このプロジェクトは、山梨県富士川町十谷地域の郷土料理「みみ」に関する本をつくり、作成した本を通して多くの人に富士川町について知ってもらいたい!というプロジェクトです。
富士川町十谷は小さい集落ながらも独自に発展した長い歴史を持つ保全価値の高い地域で、数十年ほど前までは賑やかな町でした。しかし、時とともにだんだんとその賑わいは姿を消してしまいました。
訪れた人々の中には「素敵なところだった」「いつまでも残ってほしい場所」と言ってくださる人々もたくさんいます。
そういった方々や、いまだ富士川町の魅力を体験していない人々に富士川町について知ってもらえるように、そして長い歴史を持つこの地域の伝統が途絶えることのないようにと願いをこめて、このプロジェクトを立ち上げました。
富士川町の地域の再活性化のために、ぜひ皆様のお力をお貸しください。ご協力とご支援お願いいたします。
このプロジェクトで実現したいこと
富士川町十谷の郷土料理「みみ」に関する本をつくり、富士川町の認知を広めることで、地域全体の活力を取り戻し、独自の歴史を未来に継承する手助けとなることを目的としています。
〇「知る人ぞ知る富士川の魅力」をより多くの人に届ける。
〇来訪を促し、地域経済の回復のきっかけに。
〇地域経済の循環を促すことで、町全体の保全に繋がる。
富士川町のご紹介
皆さんは山梨県の富士川町をご存じでしょうか?
富士川町は山梨県南巨摩郡の北部に位置する人口15,120人ほどの小さな町です。町の約8割が森林に占められている、潤いと緑が豊かな田園都市です。また、年末には「ダイヤモンド富士」が見られるということで県内外から多くの写真家が訪れます。春には大法師さくらまつり、夏には鰍沢ふるさと夏祭り、秋にはもみじ祭りなどのお祭りが多く開催されます。地域は山々に囲まれているので、櫛形山のトレッキングなども多くの人に親しまれています。
富士川町の地域では、ゆずやしそジュース、平林トマトなどの地域資源が多くの人に楽しまれています。
富士川鰍沢地域の特産品しそのジュース
特に、今回取りあげる十谷は、大半を森林によって占められており、また、町内の南西部に位置するこの地区は、大柳川渓谷や大柳川渓流公園、県立南アルプス巨摩自然公園といった緑豊かな自然を楽しむことができるスポットがたくさん存在します。
そして、この自然豊かな地域で長い間大切にされてきた郷土料理。
それが「みみ」です。
富士川町郷土料理「みみ」とは?
「みみ」は富士川町の十谷という集落に伝えられている郷土料理の一つです。小麦粉をよく練って薄くのばし、3㎝四方くらいの正方形に切り、一方の隣り合った二つの角をくっつけて、農具の「箕」(み)に似た形をつくり、これを人参やネギ、ゴボウやキノコ、カボチャなど好みの野菜を加えて煮込んだ料理です。
富士川町十谷にある「つくたべかん」で食べられる、絶品のみみ定食。
「みみ」は南アルプスの源氏残にいだかれた秘境十谷において、源氏の武将がつくって食し、戦勝を祝ったという故事から、この集落の祝いの日の代表的な食事をとして伝えられています。「みみ」はその形が農具の箕(み)に似ているところから、「福をすくいとる」という意味をこめて、福箕(ふくみ)となり、 これが転じて「みみ」と呼ばれるようになったといわれています。十谷集落では、元旦の朝その年の福を全部すくうという縁起をかついで「みみ」を作って食べるといいます。
「みみ」の言葉の由来になった、箕。
祝いの事の折々