フラワーロスを救いたい! 3.11被災地のお寺から祈りと希望を届ける「花あかり」


◆はじめに・ご挨拶

はじめまして、村上定運と申します。ページをご覧くださりありがとうございます。長文ではありますが、時間の許すかぎりお付き合いください。

私はお寺の子として奈良・薬師寺に生まれ、12歳で出家。それからずっと僧侶として生きてきました。奈良での修業時代は修学旅行生やご参拝者に法話を行っており、学校からのご指名No.1(具体的にそんな制度はありませんが)でした。

おかげさまで旅行会社や学校からのリクエストを数多くいただき、これまで全国で出張講演をしてまいりました。そして現在は、ご縁あって薬師寺東関東別院 水雲山潮音寺の住職を仰せつかっています。

ユーモアあふれる法話は学生からも大人気。

◆潮来と潮音寺

みなさんは潮来(いたこ)という街を知っていますか? 茨城県の東南部・鹿行(ろっこう)地域に位置し、湖や川に囲まれた水の都です。水辺に咲くあやめを市の花とするほか、豊富な水を生かしたお米作りが盛んです。

なかでも潮音寺がある日の出地区は、高度経済成長期に大きな湖を埋め立てて開発された土地です。1973年ごろから道路の整備、住宅の建設が進められ、いまでは潮来市民の約25%が住むといわれています。

そんなニュータウンの顔として、そこに住む人々の心のよりどころとして、潮来市出身の政治家・橋本登美三郎氏の発案により創建されたのが潮音寺です。1975年に落慶法要が行われた際には、全国各地から約3万人の参列者が集まり、大きなにぎわいを見せました。

全国から3万人の参拝者を集めた落慶法要(1975年)

ご本尊である「聖観世音菩薩」は「慈母観音」とも呼ばれ、これはお寺の通称にもなっています。写経や法話、たくさんの行事を通して地域の方々と交流を深め、幅広い世代のみなさまに愛されてきました。

新型コロナウイルス流行前の光景。地域のみなさまに愛され、教えを紡いできました。

◆震災からの復興、その恩返しに花を

創建から45年という歴史のなかで、潮音寺は火事や震災など幾度となく困難に見舞われれてきました。しかし、そのたびに地元の人々をはじめ多くの方から支援を受けて、現在まで途切れることなく教えの灯を受け継いでくることができたのです。

とくに2011年の東日本大震災では、埋め立て地であるという性質から、液状化によって甚大な被害を受けました。境内のいたるところで土砂が噴出し、当時16棟あった建物のうち、12棟は大きな損傷により解体せざるを得ませんでした。

東日本大震災、直後の境内の様子。液状化による被害の大きさが見て取れます。
土地や建物だけでなく、人々の心にも深い傷を残したこの震災を乗り越えるにあたり、特定の檀家を持たない潮音寺にとって大きな支えとなったのが全国の方々のご支援です。

復興に向けて活動を続けていくなかで、どうしたらその恩を返すことができるだろうか? そう考えた当時の住職が始めたのが、境内に花を植える活動でした。

お寺を訪れた人に、お花を見ることで心に安らぎと潤いを与えたい。それが、支えていただいたことへの恩返しにも繋がるだろうと考えたのです。私は、2020年の11月に住職に就任すると同時に、そんな想いも受け継ぎました。

生駒前住職(左)と村上住職(右)の植樹の様子

◆コロナ禍で迎えた45周年 お花業界も危機的状況

2020年は、潮音寺にとって45周年を迎える大切な年でした。1年を通してたくさんの行事を設定し、そのなかで震災による被害を受けた方や復興を支援してくださった方への祈りを捧げる。そんな活動をしていこうと走り出した矢先……。

新型コロナウイルス感染症の脅威によって、ほとんどの行事は中止、または無期限の延期を余儀なくされました。震災から徐々に立ち上がってきたこのお寺の復興は、再び停滞することとなったのです。

そして、この国難ともいうべき局面で私たち以上に多大なダメージを受けているのが、お花業界です。

コロナ禍により入学式、卒業式など、お花を必要とする多くのイベントが中止となった2020年。飾られたり贈られたりする機会を得ることができずに花が廃棄されてしまう「フラワーロス」が大量に発生、社会問題となりました。

とくに街のお花屋さんは大きな打撃を受け、倒産した例も多くあります。花にあふれるお寺をめざす潮音寺の住職として、この現状には大変心が傷みました。

そんなとき知り合ったのが、こうした「フラワーロス」の解決に力を注ぐフラワーライフ振興協議会のみなさんです。これまで、世界遺産である奈良の興福寺や、長崎ハウステンボスなどで花に関するイベントを開催し、生産者の支援や新たな需要の創出につなげています。

奈良・興福寺(左)、富山・瑞龍寺(右)で行われたイベントの様子(ともに2020年)潮音寺もその活動に加わり、少しでもお花業界の支えになることはできないだろうか? お花を通じて訪れる人に癒しを与えてきたお寺として、なにか力になりたいと強く思いました。

◆支えてくれた恩を返し、勇気と希望を届けたい

そこで考えたのが、震災から10年を数える2021年3月11日に、フラワーライフ振興協議会による「献花式」と、潮音寺が毎年開催している「万燈会(まんとうえ)」を実施するというものです。

2020年8月に開催された万燈会の様子

万燈会とは、毎年夏と冬に1万燈のろうそくに明かりを灯して先祖を供養し、世界平和や震災復興、五穀豊穣や家内安全などを祈願する伝統ある行事です。

この万燈会も2020年の夏にはコロナの影響により中止が検討されていました。しかし、「希望の灯を絶やさない」という想いのもと、境内の様子をYouTubeで配信するなどオンラインとオフラインのハイブリッド型で実施にこぎつけることができました。

そこで3月も、夏の万燈会と同様に感染対策を徹底したうえで震災10年の大法要を実施します。そのなかで献花式と万燈会を行い、「花あかり」という特別なイベントとして全国の方々にお届けしたいと考えています。

みなさんの支援によって、このお寺は被災から着実に復興を遂げてきました。多くの方が支えてくださったおかげで、立ち上がらせてもらえたお寺です。

そうした背景を持つこのお寺で、3月11日に多くの花とろうそくの灯りを供えて、みなさんといっしょに祈りを捧げたいのです。

震災時に支えてもらった恩を、今度はまた大きな困難に直面している人に捧げる。こうして恩を巡らせ、それを全国に広げていくことこそが、支えてくださった多くの人に感謝を伝え、また希望を届けることに繋がるのだと信じています。

◆「花あかり」開催概要(2021年3月11日開催予定)

・立花供養(境内中央広場エリア)
・東日本大震災10年大法要(本堂にて開催)
・献華式(セレモニーは法要内にて)
・追悼の鐘(鐘楼、14時46分~随時)
・献燈式(本堂⇒中央広場)
・花あかり中奉納演奏(随時発表予定)

◆薬師寺とは

潮音寺は奈良県にある薬師寺の別院とされています。薬師寺は「古都奈良の文化財」の1つとして世界遺産に登録されているほか、11件の国宝と26件の重要文化財が祀られているお寺です。

薬師寺では毎年、春の恒例行事として「修二会(しゅにえ)通称:花会式(はなえしき)」を行っています。これは薬師如来に造花を備えて国家の繁栄や五穀豊穣を祈るもので、「奈良に春を告げる行事」として親しまれています。

そんな薬師寺の別院である潮音寺とお花には、切っても切れない縁があるのです。

◆フラワーライフ振興協議会

農林水産省が推進する「公共施設等における花きの活用拡大支援事業」の事業者として採択を受け設立された広域的・公益的な全国協議会です。

花によるにぎわいの回復、そして花文化を広く発信してゆくことで、花の魅力を伝え、花を通じた新たな生活様式(フラワーライフ)を創出すること等を目的に様々な活動を展開。

コロナ渦に生じ社会課題ともなった大量の花の廃棄問題(フラワーロス)の解決、花卉の流通を促し需要を喚起することで持続可能な生産者支援につなげています。

国宝や世界遺産など主要観光地を中心として、全国20カ所以上で催しを計画・実施しています。

▼フラワーライフ振興協議会の「2020スマイルフラワープロジェクト」の活動はこちらをクリック!

◆資金の使い道

〇イベント開催費用
・お花代
・ろうそく代
・司会、出演者報酬
・配信システムレンタル費

〇 プロジェクト・PR関係費用
・プロジェクトページ作成費
・チラシ作成・印刷費
・プロモーション動画作成費

〇 リターン費用
・リターン品調達費
・発送費

◆リターンについて

プロジェクトの内容に関連した3つのジャンルに分けてリターンを用意しました。みなさんが共感する部分、応援したいと感じる分野を選んでぜひご支援ください。

花の香りをブレンドしたオリジナルお線香や、地元で製材していただいた板に住職がメッセージを記入したものなど、お寺ならではの品物をお届け。

お寺のある茨城県潮来市の名産品を中心にセレクト。米どころとして有名な潮来市から、お米や日本酒、せんべいなどをお届けします。

フラワーライフ振興協議会の協力で金額に応じたお花をお送りします。

◆ご支援の方法

◆最後に

日本はこれまでにも度々自然災害に見舞われて来ました。失ったものは帰ってこず、被災者は多くの悲しみを抱いていますが、反対にそこから立ち上がる強さも持っています。

嬉しいとき、楽しいとき、また辛いとき、悲しいとき。人はいつも花を送り、その美しさに心をなごませ、励まされて来ました。私たちの暮らしのすぐそばに、花はあるのです。

いつ終わりが見えるか分からない不安と混乱のこれからを生きる若者が少しでも前向きに生きていくために、私たちにも出来ること、見せられる景色があるはずです。

皆さんで一緒に被災地に希望の花を咲かせてください。よろしくお願いいたします。

いつも心に花束を。

合 掌
慈母観音潮音寺 住職 村上定運

◆実施体制

〇主催:慈母観音 潮音寺
〇動画編集・ライブ配信:Photonium(フォトニウム)・日本能率協会マネジメントセンター(JMAM )
〇クラウドファンディング:FAAVO by CAMPFIREつくば
〇問い合わせ:潮音寺 事務局 0299-66-0623(橋本)

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