福岡から発信。九州と台湾のお茶を扱うお茶ブランドの挑戦

福岡から発信。九州と台湾のお茶を扱うお茶ブランドの挑戦
日本最大のお茶どころである九州は福岡から、現代生活に合ったお茶のあり方を発信したいと2019年後半にスタートしたXINFUCHA。一歩ずつ成長し始めてきた矢先に新型コロナ。逆境にも負けずに果敢にも2020年に大型商業施設に2店舗目オープン。今回の挑戦では、みなさまに超希少な天空のお茶をお届け!

世界で最も高い場所で作られるお茶。
みなさんはどこで作られているかご存知ですか?

お茶の発祥であり生産量世界1を誇る中国?
紅茶の生産ナンバー1のインド?
または日本の5倍以上の生産量を誇るケニア?

いえ、どれも違います。

答えは「台湾」

そう、高山で作られる烏龍茶「高山茶」が有名な台湾です。

台湾茶というのは、いわゆる中国茶の一種で台湾で栽培・製造されているお茶の総称。
その中でも高山茶というのは、一般的に標高1,000M以上の場所で栽培されたお茶のことを指します。
高山茶はほとんどがウーロン茶として製茶されますが、その製茶方法も他の地域のウーロン茶とは異なり、良質な茶葉を味わってもらうために発酵をほとんどさせず焙煎もほぼしないことが多く、みなさんが想像される一般的なウーロン茶とは違い、どちらかと言うと緑茶に近いお茶です。

台湾の高山茶は、一般的に標高が高ければ高いほど良質で価値が高いとされています。
なぜ高山でお茶を作るのか?なぜより標高が高い方がよいのか?

高いところで作るお茶がよいとされているのは、

・霧に包まれていることと昼夜の寒暖差によって発育が抑えられて茶葉に養分が多く含まれる
・高ければ高いほど害虫がいないので農薬等の害虫対策をしなくてよい
・紫外線量が多くなり生育過程で茶葉にポリフェノールがより多く含まれる

など、良質な茶になる条件が揃っています。

一方で高山での茶作りにはさまざまなリスクもあり、

・標高が高ければ高いほど栽培できる面積が減ってくる
・トラクターなどが走れないので茶摘みは必然的に手摘み
・傾斜地での厳しい茶摘み作業
・厳しい自然環境による栽培量の安定化の難しさ
などなど。

正直リスクの方が多くて、効率を考えるとそんなところで茶作りしなければいいのにとさえ思えてくるのですが、そこは有名なお茶どころの台湾。
台湾の良質なお茶は台湾だけでなく大陸や世界各国からの需要があり、価格相応に良質であれば高価でも取引きされるので、茶農家も手間暇やコストを惜しまずに良いお茶を作るのです。

高山茶は茶作りに適している温暖な気候でありお茶の需要が高い台湾だからこそできる、世界でも稀なお茶だと言えます。

「大禹嶺」
[Da Yu Ling]
(だいうれい・だいうりょう)

一部では幻のお茶とも言われる台湾茶の最高峰。
「大禹嶺」はお茶の品種ではなく産地の名前。

台湾の高山茶と言えば「阿里山茶」ではないのか?
台湾に行ったことのある人の多くの人はそう思うのではないでしょうか。
台湾高山茶の代名詞とも言える阿里山茶は、たしかに良質な高山茶ではありますが生産量的に一番名前が知られているだけで、実はもっと良いお茶があるんです。
台湾の三大高山茶と言われるのは「阿里山」「杉林渓」「梨山」。実はその中で阿里山茶の位置付けは三番目。

一般的に阿里山茶が1,000~1,600Mくらいのところで作られるのに対して、

杉林渓:1,300M~1,800M
梨山:1,800M~2,500M

のエリアでお茶が作られていて、一般的に手に入る高山茶で一番良いとされているのは梨山高山茶と言われています。
そして、大禹嶺茶はそれらをはるかに凌ぐ標高2,600Mを超えるエリアで作られる高山茶の最高峰であり、世界で一番高いところで作られているお茶なのです。

大禹嶺茶の産地である大禹嶺茶区で昔から茶作りをしている茶園の多くがエリアの多くが2015年に台湾政府によって伐採されてしまい、良質な大禹嶺茶の農園の多くがなくなってしまいまし