多くは、「いいお茶はこうあるべきだ」という提案だったり、「お茶を飲むってかっこいい」「お茶って今先端行ってるから飲もう」みたいな提案だったり、または「お茶は日本の心だからお茶に回帰しよう」みたいな提案だったり、果てにはお茶に商機を見出した有象無象な輩がお茶のプロを自称して新しい肩書きなんかを作って活動していたり・・・と、私個人としては、そういったものはもうお腹いっぱいになってしまったのです。
そこで、XINFUCHAは垢抜けなくてもいいからもっと地に足がついたブランドを目指し、減少傾向にある日本のお茶の消費のを増やしていくために、お茶に興味のない方が取っ付きやすいようにお茶に対する敷居を低くして裾野を広げることを目標に、日々勉強していますスタッフとともに勉強しています。
高尚な目標を見据えてしっかりとした形から入るのも悪くないのですが、例えば家に急須がない人に「お茶は急須で入れないと美味しくない」と言ったところで、軽い気持ちで興味を持った人は逆に躊躇してしまうでしょう。
「お茶はこう淹れなきゃいけない」というような提案にしても、その味がその人の好みでなかったら美味しくないと思ってしまって、もう次は飲まなくなる。
・そもそもお茶は嗜好品なので各個人の好みで好きに楽しく気軽に飲めばいい。
・茶器なんてものは道具でしかないのだから専門的な急須がなければ別のもので代用すればいい。
・まずはその人その人の生活スタイルにあった取り入れやすい形で、お茶を楽しんでくれたらいい。
・現代の生活に溶け込んでいるコーヒーのように、当たり前の選択肢としてそこにあるようになってほしい。
そんなことを思い、「XINFUCHA LAB(実験室)」という名前の店舗も立ち上げと同時に始め、手探りで日常的に飲むドリンクとしてのお茶を考えはじめました。
お店のメニューは邪道と言われそうなものもお構いなしに作っていき、抽出は急須を使わないスタイルでカジュアルでありながらも、オーダーが入ってからしっかりと一杯一杯丁寧に作って提供しています。
あえて急須を使わないスタイルで抽出・提供
福岡、ひいては九州でこういった提案の仕方をしているお店は日本茶・台湾茶ともにほとんど・・・というよりも全くなかったので残念なことに最初のころは飲食経験者のオープニングスタッフですらいまいち理解し切れておらずに悪循環に陥りかけました。
そしてオープンして2ヶ月ちょっとで急遽一旦休業し、チームとお店のコンテンツの立て直しをすることに。1ヶ月ちょっとの休業期間を経て2019年末12月に再オープン。
現在は飲食経験のあるスタッフも元々お茶が好きだというスタッフもいませんが、皆ゼロから始めてお茶に興味を持って働いてくれています。
九州では見かけないスタイルで出だしの頃は少し苦しめられた部分もありながら、逆にそのおかげで徐々に地元メディアの取材が入り、おかげさまで地元のテレビ局の情報番組には一通り取り上げていただき、2020年に入ってからは少しずつではありますが認知度も上がりはじめました。そして「よしこれから!」という時にCOVID-19による世界的なパンデミック。
リピーターやファンもまだまだ少ない中、新規顧客が増えないパンデミックのこの状況は本当にどうしようかと悩んだのですが、苦しいながらも営業を続けながら少しずつアップデートし、おかげさまで福岡の中心の天神エリアの商業施設にも声をかけていただき2店舗目も開店。いろいろありましたが、なんとか今までやってきました。
まだまだ足りないところだらけですが、どん