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さらに社会に視野を広げてみていきます。データをみてみると、全国には約28万人の保育施設の空き枠があることがわかります。とくに地方では、まだまだ活用できる保育資源が余っているような状態です。
厚沢部町のこども園は2019年に開園しました。今年で3年目を迎えましたが、定員数120名に対して現在89名の利用なので、稼働率は75%となっています。
こうした地方の保育資産が余るような状況は、保育施設の建て替えなどはすぐできるわけではないため、どの地域でも起きている現象です。保育園留学はこの遊休資産を活用します。
また、こども園はぜるにはもともと「一時預かり保育」という制度があります。これは、当園に在籍していないお子さんでも、保護者の断続的な労働やその他私的理由の場合において、施設の空き状況により、利用回数や利用時間の範囲内で受け入れるという制度です。保育園留学は、この空き枠の中で、「一時預かり保育」という制度を活用することで、スムーズに始めることができるのです。
保育園だけではなく、ほかの資産も保育園留学では活用していきます。
たとえば、素敵な過疎づくり株式会社が運営する、移住促進のための宿泊施設「ちょっと暮らし住宅」を利用します。「ちょっと暮らし住宅」では、オフシーズンのときに空いていることも多い状態です。この住宅施設にはwi-fiを用意できるので、ワーケーションも問題ありません。また、「ちょっと暮らし住宅」すぐ近くの「移住交流センター」でワーケーションすることもできます。共働きのご家族や、ちょっと気分を変えて働きたいときなどにご活用いただけると思います。「移住交流センター」も、地域としてもっとご利用いただきたい施設です。
何より厚沢部町には暮らしとしての魅力がすごくあります。こども園の先生方をはじめとして、地域に根ざした農家さんなど厚沢部町に住む人々の魅力も、この保育園留学を通してぜひ利用者に触れてほしいと考えています。
保育園留学で向き合っている課題は、厚沢部町だけの課題ではなく、日本全国の課題です。こうしたまちの遊休資産を活用を基本とすることで、新たなプロジェクトの立ち上げコストを最小限にすることが実現できます。こうした取り組み方は、厚沢部町以外のほかの地域でもはじめようとしたときの後押しになるでしょう。
手足を広げて、遊びを大発明
わたしたちも保育園留学のアイデアを見つけたときは、目から鱗の衝撃がありました。実は、この保育園留学は、ある企業と家族との出会いがきっかけで生まれています。株式会社キッチハイクと、その代表を務める山本さんご家族です。
2020年から、厚沢部町は株式会社キッチハイクの「ふるさと食体験」というサービスを通して、厚沢部町の魅力を、全国の方にお届けする取り組みをしていました。そうしたご縁もあり、今年の7月に、キッチハイクの代表を務める山本さんが、厚沢部町に実際に家族で訪れてくださりました。その間、3週間ほどこども園はぜるに2歳のお子さんを預ける体験をしました。これが図らずも記念すべき、保育園留学の第一号となりました。
だった、というのが原体験にあり、この体験を世の中に広げていこうと意気投合しました。保育園留学は、厚沢部町とキッチハイクの共同事業としてスタートします。
ここから、山本さんに親としての目線から、厚沢部町の保育園留学の魅力についてご紹介いただきます。
厚沢部町イメージキャラクターの「おらいも君」と仲良しに
こんにちは!山本雅也です。今年7月に、北海道厚沢部町に保育園留学を目的に3週間滞