はじめまして!北海道厚沢部町役場 政策推進課、政策推進係長 木口孝志です。
過疎のまち北海道 厚沢部町。20年前と比べて、すでに約70%まで人口が減少しています。子育て世帯の流出もあり、この先もさらに過疎は進む見込みです。
厚沢部町の認定こども園『はぜる』は、この過疎が進む町に、子育て世代の人が移住・定住したくなるようにという想いも込めて、2019年に開園しました。先生たちや通うご家族を中心に、まちの人たちで整えていき、いまでは厚沢部町の誇るこども園となりました。『はぜる』では、もっと多くのお子さんを受け入れ、のびのびとした大自然のもと育てることができます。
この『保育園留学』では、全国から『はぜる』に保育園留学したい子育て家族を受け入れます。1〜3週間ほど暮らしていただき、厚沢部町の豊かな食や、大自然を通じて、お子さん・ご家族みなさんに、広大な大地の恵や、地域とのつながりを感じられる食育体験や、暮らし体験をお届けします。
北海道厚沢部町の認定こども園『はぜる』は、2019年に開園しました。築50年を迎えた3つの保育所を統合し、町内唯一となる認定こども園は完成しました。私も『はぜる』の立ち上げに関わらせていただきました。
若年層の人口流出が課題となる中、子育て世代の定住・移住促進に寄与し、地方創生への足掛りとなるように想いをこめて、建物の設計から進めていただきました。
いまでは、89人の子どもたちが通い、毎日にぎわいのある場となっています。ありがたいことに、ミキハウス子育て総研 『子どもを通わせたい認定こども園』モデル園にも認定いただきました。
はぜるでは公園の芝生や築山をそのまま園庭として活用しています
一方で、子育て世代が厚沢部町で減ってきているということから、この空き状況は、今後も進むと考えています。この厚沢部町の過疎について、ご説明させてください。
北海道の南西部に位置する、厚沢部町。3本の川が流れて、天然の鮎やヤマメ、イワナなどが生息できる清流がある水に恵まれた地域です。そんなミネラルが豊富な川に見守られた肥沃な大地が育まれているからこそ、農作物もおいしく育ちます。そのように食の豊かな厚沢部町ですが、日本の中でも早くから過疎が進んでいます。
こちらが厚沢部町の人口推移と将来の予測です。20年前と比べて、約70%まで人口が減少しています。これはさらに年々減り続けていくことが予想されています。また、子育て世代の流出に伴い、子育て世帯数、出生数も同時に減ってきています。
この人口減少はいまに始まったことではなく、厚沢部町では「お試し移住」を北海道内で早くに取り組みはじめました。今回の保育園プロジェクトは、過疎化解決に先進的に取り組む厚沢部町のこれまでの知見や、地域資源を生かした私たちの新たな希望として取り組んでいます。
厚沢部町は、保育園留学を通じて家族ぐるみの超長期的な関係人口の構築を目指します。
保育園留学を通じて、感受性が育まれ始める幼少期に自然体験や食育などの基礎をつくり、こどもを主体にした、厚沢部町での暮らしを家族で体験してもらうことで、長い人生の中で、家族全員にとって厚沢部町を特別な思い入れのある地域にします。
保育園留学をきっかけに厚沢部町とつながることで、子どもを含めた超長期的な関係性を構築し、地域経済の発展および関係人口の創出に貢献します。
子育て世代の定住・移住促進にもつながることを期待します。また、厚沢部町発祥のメークインをはじめ、豊かな食を楽しんでもらい、一次産業のPR機会にも繋げます