ラヴェル作曲《ソナチネ》を世界中に届けたい -木管×ハープ×弦楽四重奏の饗宴-

ラヴェル作曲《ソナチネ》を世界中に届けたい -木管×ハープ×弦楽四重奏の饗宴-
ラヴェル作曲《ソナチネ》の室内楽版をサブスクリクプション音楽配信サービスによって世界中に届けるプロジェクトです。『いつでも・どこでも・ハイクオリティ』な音楽を世界各地のたくさんの方に届けたい。木管×ハープ×弦楽四重奏による室内楽の魅力を、ラヴェルの名曲とともに楽しんで頂きたいと願っています。

こんにちは!

数ある企画の中からこのページを開いてくださり、ありがとうございます。
本プロジェクトの編曲を担当した上田ヒカルです。

この度、ラヴェルのピアノ曲《ソナチネ》室内楽版をサブスク音楽配信サービスにリリースするにあたり、クラウドファンディングに初挑戦します。

挑戦するにあたり皆さまに向けて、編曲者である僕と、フルートの松岡優でメッセージ動画を作成しましたのでご覧いただければ嬉しいです。

「なぜ、室内楽に編曲したラヴェルの《ソナチネ》をサブスクにリリースするのか?」

「そもそもなぜラヴェルのソナチネなのか?」

このページをご覧になられた方はそう思った方も多数いらっしゃると思います。
実は、僕が編曲したラヴェルの《ソナチネ》室内楽版の原型は、3年前の2018年7月に生まれました。当時、僕は東京藝術大学の2年生です。東京藝術大学では毎年9月に『藝祭』という文化祭があるのですが、あるフランス人の先生から企画のお声を頂き、ラヴェルのソナチネをみずから選曲し、編曲することに至りました。

・・・といっても、ただ闇雲にソナチネを選んだわけではありません。
今でも考えは変わらないのですが、その当時、
「安易に偉人の作品を編曲するのは良くない」

「もし編曲するなら、原曲とは違う良さがあるべきではないだろうか」

という考えを抱いてました。

何か必然性が感じられるような、アレンジがぴったりハマる曲がないかと、当時懸命になって探しました。

そこで発見したのがラヴェルの《ソナチネ》だったのです!

この曲は、ラヴェルの初期のピアノ曲で古典への傾斜が感じられるとても美しい名曲です。
ラヴェル自身、《亡き王女のためのパヴァーヌ》《古風なメヌエット》など、ピアノ曲をみずからオーケストラによく編曲しているのですが、ソナチネに関しては編曲版が存在していません。

ここに新しい可能性を見出しました。

ソナチネの新たな側面を生み出すことができるんじゃないかと、その時はとてもワクワクして心が踊ったものです。

しかし、ラヴェルといえば「オーケストレーションの天才」、「管弦楽の魔術師」と呼ばれたいわば編曲の天才、プロフェッショナルです。当時まだ19歳の僕には無謀すぎる挑戦でした。

そこで藝祭までの三ヶ月間、ラヴェルのありとあらゆる楽譜を勉強し、「ラヴェルだったらどのような編曲をするか」を第一に、自分の音楽的主張は抜きにして、寝食忘れて編曲に励みました。

そうして生み出したのがラヴェル《ソナチネ》室内楽版です。

(当時、研究したラヴェルの楽譜・資料たち)

       (3ヶ月間、編曲して出来た手書きのスコア。)

編成はフルート・クラリネット・ハープ・弦楽四重奏にしました。最初はオーボエやホルンを入れてましたが、必然性が感じられず除きました。今でも、ソナチネの編曲はこれ以外での編成では考えられないと思います。

2018年9月初演された《ソナチネ》は、多くの方々からとても好評を得ました。

しかし、それは生演奏によって初演されたもので、共有されたのは当時あの藝大の第六ホールで聴いてくださった方々だけです。

(初演当時の写真)

僕はこの一時的なものに、非常に寂しい気持ちを覚えました。

もちろん、ライヴにはライヴの素晴らし