ます。縫い目が肌に触れると痛いし、タグはチクっと刺さるし、生地も痛いです。特に使い込んで洗って行くと綿素材は生地が硬くなりますし、毛羽立ちも増えてきます。その小さな毛羽立ちが何万本もある針のような感じで僕の肌に刺さってきます。
やっぱりオシャレがしたい。服は痛くて辛いものだと思って諦めてしまいましたが、もう一度、服を選ぶ楽しみを経験したい。
だから自分で服を作ることにしました。
縫い目が外側で、タグはないもの。そして、生地は自分で触って痛くないものを選ぶ。
いろんな生地をたくさん触りました。手触りだけでわからないときは腕に巻いたり、首にかけたりします。その度に、痛みやぞわっとした鳥肌が立つような不快感に襲われます。
今回の服作りに協力してくださるパタンナーの清水さん(左)と繊維商社・瀧定名古屋の福本さん(中央)
服を作ろうと決心してから、1年が経ちました。僕は、縫い目が外側で内側には段差がなく、タグはプリントで首などにも触れない場所にしたパーカーを作りました。最初の試作品を作った2020年12月以来、このパーカーを着て生活しています。試作品は改良を重ね、5回も作りました。
そして、僕と同じように感覚過敏や皮膚が敏感で服が痛い、不快だと感じている人たちにも、僕の作った服を着てもらいたいと思っています。生地に関しては、不快感がないものは人によって違うので、なかなか販売となると難しいですが、「着れる服がない」と諦めている人が服を選ぶ楽しさを感じられる体験をしてもらいたいと思っています。
▼感覚過敏の人の「服問題」を解決したい!
感覚過敏の中でも触覚が過敏な人は、
・服の縫い目やタグが痛い
・生地が痛い、不快
・服が重く感じて苦しいし疲れる
・靴下の縫い目や締め付けが辛い
・マスクが痛くてつけられない
などの困りごとがあります。
過敏さも過敏な部位も人によって違います。僕の場合は、マスクも服も我慢して着用することができます。しかし、縫い目やタグ、そしてわずかな生地の毛羽立ちがチクチクと肌に刺さるような痛みを感じます。靴下は爪先の縫い目の部分が、小石を踏んでいるようにずっと痛く感じます。
上の写真は僕の日常です。家では1年中、ランニングシャツとパンツだけです。なぜなら、服が痛いのです。写真のランニングシャツ、実は小学5年生から着ています。5年以上、着続けています。僕が物を大事にしているからではありません。着られる肌着が見つからないのです。下の写真のように、生地は薄くなり、破れまくっています。この肌着がなくなるとかなりの緊急事態です。
今回のプロジェクトでは、感覚過敏の人のための服として最初にパーカーの作成に取り組みました。次は、肌着を作る予定です。また、靴下も履けるものが見つかっていないので、開発中です。着心地の良い衣服を追求しています。
僕の親もいろんな肌着や靴下を買ってきます。「もしかして着られるのではないか」という期待をしながら、親は感覚過敏のある子どものために服を探します。その服がやっぱり着られない申し訳なさを子どもも感じています。親も子どもも服選びに困らないようにしたいです。
みなさんには、今回作ったパーカーを着ていただきたいのと同時に、これから開発する肌着やTシャツ、ズボンなどの開発費を支援いただきたいです。子どもサイズの服も作ります。
▼縫い目が外側&タグなしのやさしいパーカーを作りました。
願いを込めてパーカーに名前をつけました。【HOPE Ver1.0】
Ver1.0としているのは、これが完成形ではなく、