す)を使っていたから。
現代の「新材」と呼ばれる木材を使った現代住宅よりも、耐用年数ははるかに長いと言われています。(実際、古材を使った建物は100年後を迎える頃に最も木材が凝集し、丈夫になると言われています。)
なのに、なんとなく古いからという理由だけで、価値がつかない…それが古民家です。
―――――――――――――――――――――――――
次に、実際にこの江ノ島をどれほどの人が訪れ魅力に感じているかを、私たちなりに調べてみました。
江ノ島には、毎年2,000万人程の観光客が訪れます。コロナ前の沖縄県ですら、県全体で観光客数が年間900万人台であることを踏まえると、あの小さな島がいかに魅力に溢れているかが分かります。
コロナを境に、多くの観光地や都市部で、大幅に旅客が減少しました。経済都市や観光都市が軒並み40-50%ほどの来客数減少を見せる中、江ノ島を含め観光資源に溢れる神奈川県は20%台でとどまっています。
こんなにも魅力的な場所なのに、古民家が建っている限り、不動産としては価値がないと評価されてしまうのです…
―――――――――――――――――――――――――
この状況は、江ノ島に限った話ではなく、古い町並みには必ずといって良いほど色濃く残っている問題だといえます。
古家が立ち並ぶ街は、我々のように移住したい人がいても、購入することが困難で、商業施設としての事業計画も進めにくく、ただただ「素敵なところ」のまま徐々に衰退の下り坂を転がり落ちてしまう事になります。
結果的に、私たちが晴れてこの古民家を購入できるようになるまで、はじめて内見をしてから半年以上の年月がかかりました。
その間、かなりの数の若い夫婦やグループから、内見や問い合わせがあったと不動産屋さんから聞いています。しかし、我々と同じく「古民家を購入する」ハードルに阻まれてしまった、と。
江ノ島のような人気エリアだと、古民家といえど値が張るため、ローンなしで現金購入するのも難しいのだと感じます。
今、日本中で、地方に目を向け、その地を盛り上げようと行動する人が増えていますが、おそらく多くの人が、似たようなハードルに立ち向かっているのではないでしょうか。
社会課題とも言うべきこの状況に悩み続けた私達は、最終的に、日本政策金融公庫さんに「古民家の再生活用の意義と必要性」についてプレゼンを行い、その意義に賛同して頂くことが出来ました。
その結果、「この古民家を、地域を訪れる観光客向けに開放する、地域再生事業および宿泊事業のための一軒宿にする」という目的で、一部ご支援いただけることが叶いました。
こうして、私たちの「コロナをきっかけにした移住計画」は、より社会的意義を背負った「古民家再生宿プロジェクト」へと姿を変え、進み始めたのです。
―――――――――――――――――――――――――
江ノ島は、誰もが日帰りで遊んだことがある観光地です。でも、そこで一夜を過ごし、島に息づく大自然や暮らしと一つになることで、沢山の表情を知っていただけると思っております。
沢山の方をお迎えできる様な大きな宿泊施設ではありませんが、生まれ変わる古民家や江ノ島そのものに「暮らすように滞在し、体験して頂く」そんな場でありたいと思っています。
プロジェクトに共感くださる方との出会いやつながりを大事に、大切なご家族やお仲間と一緒に江ノ島に訪れていただきたい。そんな思いでクラウドファンディングに挑戦いたしました。みなさまのご支援を心よりお待ちしております!
「加美屋リゾート」