あなたは、【包括的セクシュアリティ教育(CSE)】をご存知でしょうか。
包括的セクシュアリティ教育というのは、主に「性と生殖に関する健康(生殖に関する解剖学、月経、避妊、妊娠と出産…等)」、「セクシュアリティ(ジェンダー、ジェンダーアイデンティティ、ジェンダーと権力の不平等、性的指向…等)」など多くの分野を包括的に学んでいく教育のことを指します。
また、子ども達には知識だけでなく、『私は生きていく上でどのような選択肢と権利があるのか』を学ぶことが目的とされています。
しかし、残念ながら【包括的セクシュアリティ教育(CSE)】を取り入れている学校は少数です。
そこで、私達はその理由を考え、ある事実に気がつきました。
それは「大学の教員養成課程では性に関する知識とその知識を伝えるための教育を十分に学ぶことができない」現状があるということです。
実際、現在の教員養成課程のカリキュラム内で【包括的セクシュアリティ教育】を必修として学ぶことのできる大学はほとんどありません。
この2つは一見何も関係がないように見えるかもしれませんが、よく考えてみてください。
教員が性に関する知識を持っていなかった場合、性教育を受ける子ども達は十分な知識を得られることができません。
また、セカンドレイプ(性暴力の被害にあってしまった人に対して、被害の責任が被害者にあるかのような発言をしたり、被害の大きさを矮小化する発言をしたりすることで、被害者をさらに追い詰めてしまうこと)やアウティング(他者のセクシュアリティを許可なく第三者に言いふらしたり、SNSに書き込むこと)など教員の対応1つで子ども達を深く傷つけてしまう可能性だってあるのです。
しかし、教員が教員養成過程の段階で少しでも性について学び、知識を持つことで、性教育に関する悩みから、子どもたちだけでなく先生たち自身のことも救えるのではないかと考えました。
そこで私達が考えたのが、オンラインでの教育実習で『性教育』をこれからの教育を担う学生たちに伝えていくことです。
コロナ禍において、教職課程のある私立大学の4割で、教育実習の期間が短縮されたり、教育実習自体が中止になったりしています。
例年通り実習が実施されていたとしても、実習期間は3〜4週間と、実際に子どもの前に立つ経験としては不十分ではないかと感じています。
大きな不安を抱えたまま4月からいきなり子どもたちの前に立って授業をすることは、子どもたちにとってもいい循環とはならないのではないでしょうか。
さらに、さまざまな校種でオンライン化が進んでいく中で、オンラインで行う授業形態にも慣れておく必要も出てくるかと思います。
子どもたちにとって見やすいスライド作成の方法や、楽しんで授業に臨むことができる授業構成を考えていくことなど、学校現場に出る前にできることはたくさんあります。
また、教育実習にオンラインを取り入れることで、継続的に子どもたちと関わりながら、授業実践をしていける場になっていくのではないかと考えています。
全国の教育を志す学生とつながることもできるため、より多様な価値観や教育観を知ることができます。
学生が無料で受講できる計13回の授業を通して専門家による講義、ディスカッション、授業づくり、授業実践発表を行うことで、性教育に関する正しい知識と授業づくりの方法を身につけることができる3ヶ月の短期集中型のプログラムになっています。
全13回の詳細については以下の通りです。
包括的な性教育に焦点を当て、多種多様な専門家が