また、発祥地ごとにビールと食事を合わせるのも楽しみの一つです。香りが良く苦味が強い「アメリカンIPA」には、ステーキやハンバーグなどの脂っこい料理が合いますし、ドイツ発祥の「ピルスナー」にはソーセージやジャーマンポテトのようなが塩気が強い料理が合うんです。そうしていつの間にか、国を超えてさまざまな食文化を体験できるのもビールの魅力です。
さらに、ビールがつなぐ人と人の「縁」に、私たちは大きな意義を感じています。お酒のおかげでコミュニケーションが生まれ、普段ならつながらなかった人たちと席が隣り合ったり、料理人や生産者さんと直にお話しすることができたり。ビールが垣根を外し、新しい人と人の縁を運んでくれるのだと思います。私たち自身も、ビア博を通じてさまざまな出会いに恵まれました。
たくさんの人たちの協力で成り立つビア博。多くの仲間たちと知り合うことができました
苦渋の決断 2020年の開催を断念
5回目の開催を予定していた昨年。ビア博の認知度もじわじわと上がり、毎年お越しいただくファンの皆さん、市内の飲食店や全国の醸造所さんからもご支持いただけるようになったところで、新型コロナウイルスの流行が始まりました。ギリギリまで開催の方向で模索していたものの、昨年は中止といたしました。普段なら準備で忙しい夏もマスクをして過ごし、「今後のビア博はどう在るべきか」をスタッフと何度も議論を重ねました。
結論は、来年(2021年)は開催しよう、ということでした。日本各地のお祭りや慰霊・追悼の催しなどもそうですが、2年続けて不開催となると、せっかく風物詩として定着したものが失われてしまうかもしれませんし、再開までのハードルがかなり上がってしまうのではと考えました。それなら、コロナウイルスの感染拡大に配慮しながら、このコロナ禍でもイベントが開催できるポジティブな方法を探ろうと、スタッフと意見をすり合わせました。
ここいわきでも、飲食店の時短営業が続いたことが大きな傷跡を残しています。飲食店や生産者さんだけでなく、食材やお酒を提供する卸業者さん、醸造所も大きな影響を受けました。感染に最大限の注意を払いながら、ビールや食を楽しめる場をつくることで、これまでビア博の開催に力を尽くしてくれた皆さんに恩返しすることもできるのではないか、とも考えています。
今年こそ、ビア博の明かりを灯したいと思います
コロナに対応した「新しいビア博」を
今年は、コロナ禍でも開催できるよう、さまざまなアイデアを絞っています。入り口での検温、手指のアルコール消毒はもちろんのこと、ソーシャルディスタンスを保てる会場設計、飛沫を食い止める策として「入場パス」の代わりに「ビア博オリジナルマスク」を用意し、すべてのお客様にマスク着用を徹底していただく、などの方法を考えています。
マスクをかけていただければ、入場者が一目で分かりますし、主催側だけが感染防止に尽くすのではなく、参加者全員で安心安全なイベントを作るという一体感も出ます。
また、「行きたいけど今回は遠慮しよう…」という方のために、現場の模様をオンラインで配信したり、その中で醸造所や飲食店さんを紹介する時間を作ったり、ということも検討しています。加えて、ご支援に対するリターンにも、特選したクラフトビールとおつまみの詰め合わせセットをご用意しています。引き続き、リモートでもビア博を楽しめる方法を考えてまいります。
開催は、9月17日(金)、18日(土)、19日(日)の3日間を予定しています。会場は、いわきアリオスの目の前、平中央公園を