はじめに
いわき市で、地域包括ケアのメディア「igoku」などを手がけるデザインチーム「そこをなんとか」です。今回、私たちがデザインしてきた「igoku」の活動や、メンバーそれぞれの仕事術、活動理念などをまとめた書籍「igoku本(仮)」を出版するため、クラウドファンドにチャレンジすることになりました。よろしくお願いします。「そこをなんとか」プロデューサーの渡辺陽一が、メンバーを代表して、プロジェクトのお話をします。
※こちらのページには、取材で知り合った地元の皆さんたちの写真を多数掲載しておりますが、すべて許可を得て撮影しており、igoku編集部に著作権のある写真のみを使用しております。
<All-or-Nothing方式>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。達成できなければ本も作りません。
自己紹介
まず、自己紹介からスタートさせてください。私たち「そこをなんとか」は、いわき市職員、印刷会社の代表、ビデオグラファー、地域文化探求家、フリーライター、グラフィックデザイナーなど、いわき市内で活動する個人が集まって立ち上げられたデザインチームです。いわき市地域包括ケア推進課が発行するメディア「igoku」をはじめ、官民さまざまなプロジェクトの情報発信媒体などを制作したり、小さなイベントなどを企画したりしています。
そこをなんとか(撮影:中村幸稚) 私(渡辺)は左から二人目です
igoku(いごく)について
これまでに関わった代表的な仕事が、この「igoku」です。いわき市の高齢者福祉に関するメディアなのですが、「老いや死について語ることをタブー視しない」ことをテーマに、これまで10号の紙メディアを発行してきました。また、「いごくフェス」というフェスイベントをこれまでに4回ほどプロデュースし、それらの模様をウェブマガジンでも配信してきました。
地域包括ケアとは、慣れ親しんだ土地で最期の瞬間まで暮らせるよう、医療や福祉、地域づくりの担い手たちが連携して支援体制を作って行こうじゃないか、という福祉のあり方を指す言葉です。ここ最近、全国で耳にするようになりました。
igokuは自治体の作る地域包括ケアのメディアなので、本来ですと、まじめに地域の課題を取り上げたり、自治体の取り組みを紹介しなければならないのですが、実際には、母ちゃんたちと何十体ものカカシを作ったり、いわきの高齢者と伝統芸能をみんなで踊りまくったり、老いも若きも、いろいろな人たちに棺桶に入ってもらったりと、老いや死について考える記事を脱線しながら発信してきました。
第6号では「認知症解放宣言」と題した認知症特集を組みました
アート特集号となった第7号では、アーティストの折本立身さんをフィーチャー
いごくフェスで毎回開催されている入棺体験の模様
おしゃれな「遺影」が撮影できる「涅槃スタグラム」も人気です
地元の食も大フィーチャーするいごくフェス
いわきの伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」をみんなで踊って先祖に思い馳せました
取材やフェス、igokuの制作を通じて、老いや死は決してネガティなものではないと気づかされました。そして、自分の暮らす地元に、こんなにも魅力的な先輩たちがいたのかと驚かされました。たとえば。
かつての炭鉱町で繰り広げられるレイブパーティ
母ちゃんたちによるコミュニティデザインプロジェクト
シルバーリハビリ体操のカリスマになってしまったお父さん
90