鯨を愛することと食べることは矛盾しない。映画「ひみつくじら」で世界を納得させたい

鯨を愛することと食べることは矛盾しない。映画「ひみつくじら」で世界を納得させたい
千葉・南房総に、400年の歴史を受け継ぐ捕鯨の町がある。 夏になると10mもある鯨が引き揚げられ、解体された肉がその場で直売される。 1頭から取れる肉は4トン。「鯨一つ捕れば七浦潤う」の世界がここにある。 この町の、鯨を中心とした暮らしを描くことで、日本人の【鯨への愛】を世界に知らしめたい。

◆はじめに・ご挨拶

 はじめまして。とっておき株式会社の代表を務めております弥富です。

 このプロジェクトでは、日本の捕鯨のありのままの正しい姿を世界に伝えることを目指します。
映画「ザ・コーヴ」やシーシェパードなど、日本の捕鯨を残酷で野蛮なものとして取り上げる反捕鯨組織のプロパガンダを跳ね返すものとしたいと思っています。

◆このプロジェクトを始めたきっかけ

 とっておき株式会社は、私が作った映像制作の会社です。
もともと私は、NHKにディレクターとして入局以来、28年にわたって報道・スポーツを中心にいろんな番組を作ってきました。

 「クローズアップ現代」や「サンデースポーツ」など様々な番組を制作し、さらに「日本人の知らない日本へ」という紀行シリーズを英国出身の作家・C.W.ニコルさんと一緒に作り上げ、小笠原諸島が2011年に世界自然遺産になるときには「小笠原諸島 いのちの森と海」という73分の特別番組も放送しました。

 この小笠原の番組は、世界自然遺産に登録される理由となった貴重な自然を紹介するとともに、この島のたどってきた知られざる歴史を明らかにしたのですが、そこで大きな役割を果たしてきたのが捕鯨だったのです。

 欧米諸国はかつて世界中の海で鯨を捕っていました。油を取るためです。鯨の分厚い脂肪層を煮詰めて取った油は高品質で、ランプ用や食品原料など様々に使われましたが、なかでも精密機器の潤滑油として代わるものがありませんでした。そのため多いときは数万隻の捕鯨船が世界中の海で鯨を捕っていたのです。

 小笠原諸島は、その捕鯨船の水や食料や燃料の補給基地として欧米列強諸国が争奪戦を繰り広げた場所でした。米国海軍提督ペリーは、浦賀に来る前に小笠原に上陸し、米国による植民地化を図ったほどです。そこまで【捕鯨が世界の歴史を動かすほどの存在】だったことに驚きました。

 以来、私は日本の捕鯨について興味を持ち、調べ続けてきました。
そうしたなか、東京から目と鼻の先の千葉・南房総に、400年の歴史を受け継ぐ捕鯨の町があることを知ったのです。

 そこで見た捕鯨は、昔ながらのものでした。10mもある大きな鯨を海から引き揚げ、それを大きな包丁を持った男たちがさばいていきます。

 そして解体されたばかりの肉はその場で直売され、地域の人々が先を争うようにして買っていく。
 新鮮な鯨肉は各家庭で竜田揚げやステーキ、佃煮にされるほか、天日で干して「たれ」といういわば鯨のジャーキーになります。鯨はこの地域の夏の味覚として愛され、人々は鯨が捕れるのを楽しみにしているのです。

 鯨からは5万人がいっぺんに食べられるだけの4トンの肉がとれるほか、皮からは油が取れ、骨や血は肥料になるなど余すところなく使われてきました。なのでかつては「鯨一つ捕れば七浦潤う」と言われましたが、現代の日本でもその様子をうかがい知ることができる場所がこの南房総なのです。

 地元の小学校では、5年生の地域学習にこの捕鯨の見学を取り入れています。毎年、鯨の漁期の最初に子どもたちが来て、鯨が引き揚げられるところから解体されるところまで見学し、その鯨で作った竜田揚げを食べるところまでが授業です。地域の産業を知るとともに、「人はほかの命をいただいて生きている」ことを知り、食のありがたさ、命の尊さを学ぶ貴重な体験となっています。

 まさに地域とともにあり、地域全体で支える捕鯨の姿があるのです。

 この姿を、映像という形で記録にとどめるとともに、ドキュメンタリーとして公開し、日本の捕鯨の本

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