鯨を愛することと食べることは矛盾しない。映画「ひみつくじら」で世界を納得させたい

鯨を愛することと食べることは矛盾しない。映画「ひみつくじら」で世界を納得させたい
千葉・南房総に、400年の歴史を受け継ぐ捕鯨の町がある。 夏になると10mもある鯨が引き揚げられ、解体された肉がその場で直売される。 1頭から取れる肉は4トン。「鯨一つ捕れば七浦潤う」の世界がここにある。 この町の、鯨を中心とした暮らしを描くことで、日本人の【鯨への愛】を世界に知らしめたい。

当の姿を世界に知らしめたいと思います。

 これまで撮影した分で、予告編を作りました。

 「ひみつくじら」というタイトルをつけました。
日本人でさえ実は知っているようで知らない日本の捕鯨の姿。地域の人々の暮らしの一部として溶け込み、鯨が愛されている姿を知ってもらいたいという想いでつけました。

 日本人にとって鯨は海からの恵みであり、自分たちが食べる分だけを捕り、感謝しながらありがたくいただきました。食べられる部分以外も余すところなく利用しました。

 一方、外国の人々は、鯨は神聖であり、愛すべき存在であって食べるものではないと言います。
しかし歴史を見れば、18世紀から19世紀に世界中の海で鯨を捕り、その数を激減させてきたのは欧米列強諸国です。しかもその目的は油を取るためだけで、皮を剥いでその他は全部捨ててきたのです。

 彼らは、鯨を食べる日本人は野蛮だと言います。しかし日本人は食べた鯨を供養し、鯨塚まで建ててきました。「いただきます」という言葉があるように、日本人は他の生き物の命をいただいて生きていることに対する感謝の念を持ち続けてきました。
【鯨を愛することと鯨を食べることは、日本人にとってはなんら矛盾することではない】のです。

 ぜひ、日本人の【鯨への愛】を世界に理解させるため、みなさんのご支援をお願いします。

◆このプロジェクトで実現したいこと

 ドキュメンタリー映画としての上映を目指します。地元・南房総での上映ほか、都内の映画館での一定期間の上映も目指します。

 ただ、日本のドキュメンタリー映画を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。なので最終的にこの映像作品がドキュメンタリー映画として映画館で上映されるのか、それともテレビ局で放送されるのか、あるいはYouTubeなどでの公開になるかは正直、分かりません。しかしこの映像を広く公開し、日本の捕鯨の本当の姿を世界に知らしめたいと思っています。

 これまで、日本の捕鯨は南氷洋での捕鯨ばかりがクローズアップされてきました。シーシェパードによる捕鯨船団への攻撃や、IWC(国際捕鯨員会)での米豪など反捕鯨国との対立など、ほとんどが南氷洋での捕鯨の問題です。

 それとはまったく別の世界の、伝統的な沿岸捕鯨があることなど、誰も知らなかったと言ってもいい。いま、沿岸捕鯨の基地は全国に5か所。そのうち、解体が屋外で行われ、その様子が誰でも見られるのは南房総だけになっています。

 沿岸捕鯨こそが日本の本当の捕鯨の姿であり、そこで働く人々の想いや、鯨が揚がるのを楽しみにしている地域の人々、地元ならではの調理法、そうしたものを網羅した映像作品を作りたいと思っています。

◆もうひとつのきっかけ

 映画「ザ・コーヴ」によって日本の捕鯨は猟奇的で残酷なものとして描かれました。鯨類を食べる日本人は野蛮であると強く印象付ける内容であり、人種差別的な偏見すら感じるプロパガンダともいえる作品でした。

 これに対し、日本側からも「ビハインド・ザ・コーヴ」といった映画も作られましたが、「ザ・コーヴ」に対する反論という形では相手の土俵に乗る形になり、プロパガンダの巧拙の勝負になってしまいます。それでは先にうまく印象付けたほうが勝ちです。

 そうではなく、有史以来の日本人と鯨のかかわりと、400年以上の歴史を受け継ぐ捕鯨の現場をきちんと見せ、【鯨を食べることは、鯨を愛することとなんら矛盾することではない】ということをわからせない限り、日本人の精神・食文化は理解されないと思います。

◆撮影の進捗具合