はじめに
(クレジット:ハフポスト日本版 関根和弘)
今から約10年前、90分間のエイズ予防講演会を終えた時、高校1年生の女子生徒が私にそっとたずねました。
「 コンドーム というアイテムの重要性はよくわかりました。
ただ・・・ 、 コンドーム って一体どんなものなんですか?」
それ以来、授業だけでなく講演会でも必ず実物を見せて、ときには触ってもらって、風船のようにふくらませて、という「コンドームの伝道師」的な活動をしています。
しかし、私はもうコンドームというアイテムの存在を伝える活動にそろそろ終止符を打ちたいと思っています。本当はコンドームのことくらいは知っていて当然の、その先の未来についてもっと話がしたい。
避妊に有効な低用量ピルの普及や、性感染症検査が充実した社会の実現のその先にある、コンドームをはずしてもいいと思える ‟パートナーとの関係性” についてもっと話がしたいのです。
50分間の授業も、90分間の講演会も、もちろん大事ですが、自分で実物のコンドームに触れる5分間はもっと大事です。
その体験は、そこにいる全員を一瞬で当事者にします。
「これって実際どうなってんねん?!」
「ただのゴムとか、破れるやん!」
「パートナーに何て言えばいいん?!」
そこからはじまる、正解のない自己探究の旅。
このきっかけが、彼らの人生に与える影響は計り知れません。
「びわこんどーむ」と聞けば、みんなが笑顔になります。
「びわこんどーむ」の前では、大人も子供も、役職も立場も、性別も関係なし。
「性」を前に、みんなが同じ人間です。
他人にコントロールされるべきではない「性」だからこそ、自分で決める力と話題にできるつながりが必要です。
はじめまして
皆様こんにちは、本プロジェクト主催者の清水美春です。日本で一番大きい琵琶湖をこよなく愛する滋賀県民です。このページをご覧いただきありがとうございます。
私はこれまでの約20年間、滋賀県の公立高校で保健体育の教員をしてきました。また、上記の通り、仕事以外のライフワークとして滋賀県内の中学校や高校に招かれ、「エイズを通じて”性”と”生”を考える講演会」の外部講師としてたくさんの生徒たちと一緒に学んできました。
コンドームは性感染症予防や避妊に有効なアイテムです。それでも、まだまだ教育の現場では性にまつわる情報がタブー視され、生徒たちにも先生たちにも偏見や先入観があります。しかし、皆さんもご存じの通り、コンドームは単なるゴム製品であり、マスクと同じ衛生用品です。正しい情報を伝え、使い方を学習すれば、生徒たちはまず自分の身体に関心を持ってくれます。
「高校生にはまだ早い」。そう思う方もいるかもしれません。しかし、100名を超える高校生にアンケートをとったところ、約60%の学生が授業内でのコンドーム配布について「肯定的」にとらえ、逆に「否定的」に捉える生徒は女子が0名、男子が2名しかいませんでした。
「習うより 触って慣れよう コンドーム」
避妊法の選択肢が少ない日本で、もっとも使われている避妊法がコンドームですが、その失敗率は2〜15%と言われています。15%とすると10人に1人以上が失敗する確率です。つまり、完璧ではありません。たかがコンドーム、されどコンドーム。 自主練がとても大事です。これは今まで多くの生徒たちに装着法ペアワークを届けてきたからこそ実感していることです。
アメリカやヨーロッパでは、学校の授業でコンドームを装着する方法が学習できる機会があります。生徒た