「よせもの」という伝統技術を残したい。ジュエリー作家がつくるインテリアジュエリー

「よせもの」という伝統技術を残したい。ジュエリー作家がつくるインテリアジュエリー
「ろう付け」という溶接で金属パーツをつなぎ合わせコスチュームジュエリーを作る伝統技術「よせもの」。一子相伝でしか伝わらなかった技術のため、ほとんど職人が残っていません。型から量産できるキャスト製品が多い中、匠の技を残すため、「よせもの」でインテリアジュエリーという空間を彩るオブジェを開発しました。

並べ、溶接するので、同じような形でも少しずつ違います。そのことが、機械生産にはない、人の手で作り上げた温もりある作品に繋がっていると思います。
土台は本物の木。木工所から出る端材を利用

オブジェの土台となる部分は、製作工程で出てくる木の端材があるということを知り、北海道旭川市にある木工所「ササキ工芸」から、それらを購入させていただき、本物の木から、真鍮の木が芽生えているかのような世界を作り上げています。

真鍮と木の土台、異素材の組み合わせが、絶妙にマッチした癒しのオブジェが誕生しました。
樹種、大きさは様々。また、真鍮のtreeを設置する場所は土台の少し後ろ側に設置します。
treeの前に小物を置くことも可能です。
真鍮の輝きの経年変化で「真鍮の森」を育ててください

真鍮は、年月が経つと当初の輝きから鈍い輝きになり、そして黒ずんできます。その経年変化を楽しむことも出来ますし、磨き粉の入った布で時々ふくことにより、元の光沢を戻すことも可能です。もしくは、少しずつ、新しい「真鍮のtree」をコレクションするごとに、鈍い輝きと、新しい輝きが混ざりあい、貴方だけの「真鍮の森」が育つことと思います。
左は新しい時の輝き。右は1か月ぐらい経った色。置く環境によっても変化のスピードは違います。
一度、濃くなってからは、変化は少なくなります。
また、磨き粉入りのクロス(シルバー磨きなど)で磨くと、左のように光沢が戻ります。
インテリアジュエリー構想は2年前から
試行錯誤を繰り返し、今回の新しいプロダクトにつながりました。

このインテリアジュエリーの構想は、実は、コロナの前からつくりあげていました。「よせもの」技術を広めたいという思いから試作を作り何度か発表をしてきて、話題になりました。
初期のインテリアジュエリー
木の周囲を窓のフレームのような枠を付けていましたが、
作業工程、高度な技術が必要で価格設定が高額これまで装身具にだけこの技術を使ってきたことに疑問を抱き、他のジャンルに活用できないかと考えた際、もともと、森と湖の国「フィンランド」で 建築設計に携わり、生活をしてきた経験から、インテリアに着目していました。そこで、考えたのか、インテリア空間への潤い。北欧では、冬の間、室内の生活が長いため、オブジェや壁紙、ポスターなど、自分のお気に入りを生活空間に取り入れることにより、自宅での生活を大切にしています。
その考えのもと、「よせもの」で表現できるものは何かと考えた時、金属なのに自然の風合いを感じる不思議な素材「真鍮」を使い「インテリア空間に、森を作ることができたら!」と、思いつきました。
また、キラキラした輝きは空間に動きや奥行きを与え、インテリアと人の心に潤いを与えると考えました。
作品の発表後、フィンランドで建築を学んだ建築家であり、ジュエリー作家が発表したMASAAKi TAKAHASHiの「インテリアジュエリー」と言うことで、神奈川県立近代美術館の企画展「カイ・フランク」(フィンランドの巨匠プロダクトデザイナー)に合わせて、ミュージアムショップで展示販売させていただきました。

神奈川県立近代美術館葉山館

神奈川県立近代美術館ミュージアムショップでの販売しかし、フレームとなる部分まで、全てを真鍮で作り、ろう付けにこだわって作ったため、金額が高くなり、多くの人に広めていくことができませんでした。

2020年、コロナ感染拡大が問題になってから、弊社オリジナルブランドの店舗「MASAAKi TAKAHASHi atelier shop」が入る施設