失われた幻の刀剣を復元したい!兵主大社御神宝刀剣復元プロジェクト

失われた幻の刀剣を復元したい!兵主大社御神宝刀剣復元プロジェクト
滋賀県野洲市に鎮座する兵主大社の終戦時に失われた御神宝の刀剣2振を復元した後に、御神前に奉納し後世に末永く伝えていきたいと思います。皆様の温かいご支援よろしくお願い申し上げます。

はじめに

みなさまはじめまして、兵主大社宮司の井口昌宏と申します。この度は本プロジェクトをご覧いただき誠にありがとうございます。

兵主大社は、琵琶湖岸にほど近い滋賀県野洲市五条に鎮座する古社であり、古くから多くの人々より崇敬されてまいりました。境内には国の名勝指定を受けております平安時代の庭園があり、紅葉の時期には多くの方に参拝いただいております。

毎年5月5日には兵主郷と呼ばれる18の集落より約40の神輿、太鼓が神社に集い兵主大社例大祭(兵主祭)が盛大に執り行われます。

また、毎年12月上旬には平成30年に「日本遺産 琵琶湖とその水辺景観ー祈りと暮らしの水遺産」に認定された、宮司がご神体と共に琵琶湖に身を沈め、神様をお迎えし御神威の再生を祈る、全国的にもほかに類を見ない神事である八ヶ崎神事が斎行されます。

野洲市観光物産協会様 YouTubeチャンネル 
「日本遺産 兵主大社と八ヶ崎神事 ‐八ヶ崎神事と水辺の舞楽‐」 リンク

兵主大社の歴史

御鎮座は養老2年(718)と伝えられ、平成30年(2018)には御鎮座1300年のめでたき年を迎えました。御鎮座1300年記念の本殿遷座祭・奉祝祭には地域の氏子の方々をはじめ、多くの方々に御参列をいただき盛大に執り行われました。

御祭神は八千矛神(大国主命)であり、兵主を「つわものぬし」と読むことから中世には武士の信仰を集め、足利尊氏寄進と伝えられる県指定文化財の楼門、源頼朝着用と伝えられる重要文化財指定の腹巻(鎧)をはじめ、刀剣類などの武具が現在も御神宝として多く残されています。

今回復元する2振りの刀剣について

今回復元する2振りの太刀と小太刀はともに、室町時代中期(550年前)近江守護職の六角氏又は守護代の伊庭貞隆より奉納された名刀です。1振りは鎌倉時代中期(800年前)の備中 古青江派の重次の太刀、1振りは無銘ながら太刀姿の小太刀です。約80年前の終戦時にGHQの政策により没収され失われた当社の最も大事な御神宝です。古くは御神体と共に本殿内に納められており、神事の際には威儀物として用いられていたことが記録にも残っております。また、室町時代の革包の拵(こしらえ)や刀の納められていた箱は現存しており、そこから刀身の寸法などもわかっております。

また、昭和22年(1945)には当社の先々代の宮司が警察署宛に返還の嘆願書を提出した記録が残っておりますが、残念ながら返還されることなく現在に至っております。

そういった経緯もあり、御鎮座1300年を迎えた今、失われた2振りの刀剣を神社に取り戻し、八千矛の霊剣・蚩尤の小太刀として再び御神前に納めさせていただきたいという思いから本プロジェクトを立ちあげました。

今回、実際に2振りの刀剣を復元するにあたり、東近江市五箇荘に鍛刀場を構えていらっしゃいます、刀剣作家の北川正忠氏に依頼をさせていただきました。北川氏は東近江市(八日市)のお生まれで、これまでにも刀剣作家として多くの賞を受賞され、令和2年には彦根城博物館所蔵の井伊家伝来・備前三郎國宗(二代目)太刀の復元(写し)製作もされております。

北川正忠氏 HP https://masatada.jimdofree.com/

今回作刀いただくにあたり、1振目の八千矛の霊剣は銘が判明しておりますので 備中国 青江重次の写しにて作刀いただき、2振目の蚩尤の小太刀は寸法は判明しておりますが無銘とい