はじめに・ご挨拶
私たちは、令和元年度に内閣府地域コアリーダープログラムに参加したメンバー(団長1名、団員8名)です。障害者活動分野の派遣国活動として、プログラム初の訪問国であるイタリアで共生社会の実現に向けた取り組みを行う13箇所の団体や施設を訪問しました。
イタリアは、40年以上前から、障害のある子・ない子ともに、同じ教室で学び、成長することが保障されている国です。私たちは「フル・インクルーシブ教育」の実際を、垣間見ました。
最近は、さまざまな方面で「共生社会の実現」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
皆さんの日々の生活の中に、障害のある方とともに、楽しみや生きる喜びを分かち合う場面はありますか?
■地域コアリーダープログラムとは?
内閣府が6つ展開する青年国際交流事業のうちの一つが「地域課題対応人材育成事業(地域コアリーダープログラム)」です。高齢者、障害者、青少年、各分野の課題解決に向けた取り組みを行う社会経験ある日本青年を、先進事例のある外国へ派遣する事業と、外国青年招へい事業の二本柱で、課題対応の能力向上を図ります。
2019年度イタリア派遣団メンバー
イタリア首相府での懇談
このプロジェクトで実現したいこと
私たちがイタリアで学び気づいた、共生社会の実現に向けた『インクルージョン』を日本の皆さんにお届けし、誰もがくらしやすい社会を実現したい!
障害の有無に関わらず、日常で関わり合える、ともに過ごせる社会をつくりたい!
多様な子供たちが通う学校の授業風景
バリアフリーなローマ市議会場
プロジェクトの内容や目的
私たちは派遣前に、派遣国の情報収集や事前学習を行いましたが、日本にはイタリアに関する書籍や文献、最新情報が少ない現状がありました。そして実際にイタリアへ足を運び、この目で見て衝撃を受けた「フル・インクルーシブ教育」を軸に、現地の人々のくらしや、福祉・文化芸術活動・行政・社会的共同組合などで支援に携わる人たちの様子、マインドをまとめ、イタリアの街中の様子も織り交ぜた旅行記のような、手に取りやすい本を出版したいと思っています。
日本では、「共生社会」をキーワードに、”誰もがともに、より暮らしやすい社会“の実現に向けて、様々な職種や立場の方々が、日々活動されています。近年、その勢いは増しており、輪の広がりを感じています。そのような中で、さらにその輪が広がるよう「共生社会」について考えるきっかけになる1冊を、世の中に届けたいと思いました。
この本が出版されることにより、今まで共生社会やインクルーシブ教育に関心があった方も、関心がなかった方も、改めて日本の社会の在り方を考えるきっかけになればうれしいです。
イタリアを知ることで、日本の強みも弱みも見えやすくなります!
そして、日本を見直すことで、『より良い社会への一歩』が踏み出せると思っています!
多様な方々が参加するオーケストラのマジカ・ムジカ協会での写真
こんな方に読んでほしい!
「すべての人が社会を作っている」イタリアの視察やその前後での学びを通して、深く感じました。ぜひ本ができたい際には、福祉や教育関係者だけでなく、様々な方に手にとっていただきたい。それが私たちの願いです。海外へ行って初めて見る・知る・体験することにワクワクする人も、普段あまりこのような本は手に取らない人もこの本を読み、少しでも地域社会に興味、関心を持っていただければ幸いです。
ぜひこの本を通して、日本での障害のある方の生活と、イタリアでの