「偶然」や「出会い」や「無駄」、そこから生まれる「気づき」なのかも。
わたしたちはそれらを大切にして、それらに出会える場所を残し続けたい。
大きな感動は生めないかもしれないけれど、 小さな場所で日々のささやかな心の機微を提供し続ける、 そんな本屋をつくりたいと思っています。
熱海には、本を読みたいと思う場所がいっぱいある。
熱海に来たことがない人は、まだ知らないでしょう。
熱海には、ここで本を読みたい と思う場所がいっぱいあるんです。
おだやかな海。昔からある喫茶店。温泉につかった後の休憩室。ほかにもたくさん。
気に入った場所でリラックスして本と向き合うことは、自分の気持ちと向き合うことにもなる。
そんな時に読むならば、流行りの本もいいけれど、
誰かが想いを込めて出版した新しい本や、誰かの心に触れた古い本からも何かが見つかるといい。
だから、熱海でそんな本たちと出会える本屋をはじめます。
物件(ロマンス座)との出会い
実はもともと、ロマンス座カドの最初の企画では、本屋さんを併設したいという思いがありました。
物語がはじまる宿。わたしだったらやっぱり、本が読みたい。
その後も折にふれて近くに本屋さんが欲しいね、と言い続けていたところ、
2020年の初夏。
guest house MARUYA & ロマンス座カドを運営する株式会社machimoriの市来さんから
「ここ空いたよ!」と連絡をもらいました。
その場所は、ロマンス座の真横。かつてチケットカウンターがあった場所。
そしてロマンス座カドの真横でした。
銀座通りの賑やかさからほんのすこしだけ脇に入った、すごく素敵な路地にあるんです。
映画館の真横にある本屋から新しい本の世界に入り込むって、すごく、ワクワクしませんか?
小学生以下、無料にします。
子どもの頃に体験したドキドキやワクワク、
子どもの頃に読んだ本って、大人になっても結構覚えているもの。
そしてある時ふと思い出し、大切な道しるべになったりします。
だから、熱海の子どもたちには無料で自由に読んでもらいたい。
子どもの頃に何度も行った、カギのかかった不思議な本屋さん。
そこに置いてあったあの本、この本。
ひみつの本屋で気になった本を持ち出して、お母さんにジェラートを買ってもらって、
お店の前のベンチでいつまでも読んだっけ。
彼らが大人になった時、そんな思い出が残っているとうれしい。
資金の使い道
ご支援いただいた資金は、本と出会う空間と、そこで出会う本の購入に使わせていただきます。
まずは本を買うために。
「ひみつの本屋」という空間に置ける本は約1,500冊。
そのうちの約750冊は、これまでに既にわたしたちが出会い、素敵だなと思った本を置きます。
最初はここからスタートする予定です。
まだ手に入れられていない本も多数あります。
たとえば、絵本や児童書。
本が大好きな子ども時代、わたしの手元にはとてもたくさんの絵本や児童書がありましたが、
親戚や近所の子に譲り、そのままどこかに行ってしまったものがかなりあります。
それから、アートや外国の本。
「自分の本棚に置く」という目線に立つと、買うのに勇気がいる価格のものが多いですが、
【買わずとも持ち出して読める】というスタイルのひみつの本屋だからこそ、
素敵なものにたくさん触れられる機会を増やすために充実させたい。
そして、熱海の本 や 旅にまつわる本。
旅の地ならではの読書体験、そして、より熱海を深く知るきっかけになるといいなと思います。
ほかにも