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箱根でブックシェアリングできる場所を作りたい!
3 ~ 4 分
はじめに・ご挨拶
こんにちは。箱根町在住の廣田いとよといいます。
箱根生まれ・箱根育ちの夫と出会い、3年前、結婚を機に東京から夫の実家のある箱根町仙石原に移住しました。
箱根・仙石原のご紹介
東京から見る箱根は、自然があって温泉があって、夏涼しく、バカンスに最高のロケーションです。
仙石原(せんごくはら)地区は、秋に見頃を迎える「すすき草原」のほかに、水湿地の草花を収集する広大な町営植物園「箱根湿生花園」や、ラリック美術館、ポーラ美術館、星の王子さまミュージアム、箱根ガラスの森美術館といった美術館が集中する地域です。
標高は約640m。電車はないものの、箱根登山バス「仙石案内所前」バス停があり、高速バスで「バスタ新宿」まで片道約2時間半。羽田空港へも直通バスがあり、観光に便利なターミナルポイントです。
一方でその平坦な地形から、箱根町住民の約4割、2,000世帯が生活する居住地域でもあり、別荘も多く、旅館・ホテルの従業員寮など、様々な人が集まって地元の生活圏を形成しています。
箱根も近年は高齢化が進んでいます。統計では人口のピークは1965年の約2万3千人。2000年の15,252人からは年200人のペースで減少し、2020年は1万1千人を下回る10,830人。そのうちの4割弱が65歳以上となっています。
プロジェクトを立ち上げた背景・実現したいこと
箱根町の主要産業は観光業です。私自身もこの数年間に、バックパッカーが集うゲストハウスやカフェ、ホテルスタッフなどの仕事を経験しました。そこで若い同僚たちから聞いたのは「箱根は地元の人が遊べる場所がない」という訴えでした。
彼らは20~30代の単身者が多く、 最小限の荷物で、東京や近隣の都会から箱根にやってきます。 半分住民、半分旅人のような立ち位置です。
箱根が気に入って観光しつつ長期滞在する方もいますが、ほとんどの人が車を持っていないので、休みの日は寮にこもってゲームなどをしていると聞きます。そして、オフシーズンになると箱根を離れていきます。
仙石原は、大型スーパーやファミレスもなく、宅配ピザは配達圏外。お店は日暮れ時に閉店します。車があれば隣の小田原市や御殿場市に行くことができますが、片道30分かかるため、仕事帰りに立ち寄るには少し遠い。
そういう中で、短期在住の彼らと地元の人々、観光客、みんなが集える拠点のような場所があったら、と考えるようになりました。
箱根宮ノ下・NARAYA CAFEで開催したブックイベント
加えて、個人的に、東京から箱根に移住して、本を読める場所がまちなかでほぼ皆無であることが気になっていました。
仙石原にあった地域の本屋「佐藤書店」が閉店したのは約15年前。家から一番近い公共施設は仙石原文化センター内にある図書室。しかし、会議室のような一室に古い本が並べられ、資料更新もほとんど行われていません。
そこから、自分がこれからも住み続ける場所に、ひとりでも気軽に入れる「まちの読書室」の役割を果たせる場所を作りたいという考えに至りました。
拠点について
店舗として、義父の生家である元「若葉みやげ店」と「若葉畳店」を使わせていただけることになりました。
築70年を越える日本家屋です。戦後、箱根の芸者置屋「若乃家」として始まった建物で、夫の祖母が女将として切り盛りしていました。平成に入ると若乃家はお土産屋さんに転身。祖父の畳店と共に繁盛しました。
おみ