生産不足の手漉き和紙の原料“ねり”をみんなで育てて!
和紙職人の生まれ故郷「小川町和紙体験学習センター」から和紙を世界へ
はじめまして。このページをご覧いただきありがとうございます。
今回のプロジェクトの代表を務めております、企画屋かざあなの川口です。
私たちは、世界無形文化遺産に登録されている細川紙をつくる和紙の里、埼玉県比企郡小川町の和紙を使ってノートを制作し、パリをメインに販売しています。
需要があるのに生産不足となっている手漉き和紙に不可欠な原料”ねり“をみんなで育て、小川町の和紙職人さんと一緒に小川町和紙体験学習センターを活用して、和紙をもっと多くの人に広めたいと考え、クラウドファンディングに挑戦することにしました。
達成費は、みんなでねり(トロロアオイ)を育てる『わしのねり』プロジェクト運営費と新商品開発費用として活用いたします。
企画屋かざあなは伝統工芸や和文化を学び、海外や次世代に対して普及活動をしています。
私はノートを色々と作ってきたなかで和紙に出会い、和紙に書き留めることで感性が豊かになる感覚を伝えたく、字が綺麗に浮いて見える欧州ではチェック柄として馴染みのある市松罫の和紙ノートを開発し、パリで販売をはじめました。
2019年から企画屋かざあなオンラインサロンメンバーの活動が評価され、パリの店頭にて販売しています。
このノートは、表紙に世界無形文化遺産に登録されている細川紙をつくる和紙の里、埼玉県比企郡小川町の和紙、中紙には鳥取県の和紙を使用しています。
和紙商品を世界に提供するにあたって、材料づくりから手漉き、そして仕上げまで実際に体験したり、職人さんのお手伝いをしてきたことで、和紙業界が立たされている状況を知ることになりました。
薄くて丈夫で保存性が高いことで世界的に知られている日本の和紙ですが、この薄くて丈夫な和紙を作るには、原料となる『ねり(トロロアオイ)』が必要不可欠です。
この『ねり(トロロアオイ)』の生産が全国的に不足しています。
手漉き和紙は、水のなかに楮などの植物の繊維を拡散させ、漉くことで繊維同士を絡ませて紙にしていきます。
しかし、水よりも重い繊維は、水だけで漉くと水中で拡散させてもすぐに沈殿してしまいます。
水が抜ける速度が早すぎるため繊維が均等になりません。
そこで『ねり』を使います。
『ねり』を使うと水中で繊維をコーティングし、均等に分散して浮遊させます。
『ねり』の助けによって簀の上に繊維を長く留め漉桁を揺すれることで、繊維をより一層絡ませることができ、世界でも評価される薄く強い紙ができあがるのです。
この重要な役割を担う『ねり(トロロアオイ)』は、全国的に生産者が減少し高齢化しており、生産量が年々減少しています。
国内の供給量の3割以上を生産している小川町においても、全国の紙漉き職人さんからの要望量を作ることができていません。
『ねり』は『トロロアオイ』の根の部分から抽出できるもので、家庭菜園用にも種が売られています。
一日花ですが、別名アジアンハイビスカスとも言われ、きれいな花を咲かせます。
天ぷらにして食べることもできるそうです。
手漉き和紙に使うのは根っこの部分です。
根の部分を叩いて抽出した粘液を『ねり』と呼びます。
トロロアオイ生産組合の方とお話し、種を分けていただくことができました。
(家庭菜園用とは種が異なるそうです)
この種を各家庭で育てていただき、その根の部分を送っていただくことで、トロロアオイ農家さんに提供し、手漉き和紙制作現場に回していただきたいと考えています。
これは一般家庭と農家さんと職人さんがつながるプロジェクトです。
一般家庭で育てることは、私たちにとってもチャレンジになります。
種蒔きは梅雨前。夏に花が咲き、秋頃に収穫できます。
栽培するにあたり、虫の付きにくい家の中で育てるには深い鉢が必要になります。庭では、土を柔らかくした状態にする必要があります。場所は温暖なところであれば大丈夫ですが、家庭で育てる情報が少ないため、栽培中には状況等を情報共有して、みなさんと一緒に育てていきたいと考えています。
収穫・郵送いただいた『ねり』はトロロアオイの農家さんの組合に寄贈し、生産者と消費者がつながれる品評会や実際に小川町に来ていただいての収穫体験も予定しています。
※栽培途中でうまくいかなくなったとしても、できたトロロアオイで参加者の方にしおりや一筆箋に使える和紙を作りお送りさせていただきます。
小川町和紙体験学習センターは全国で活躍する多くの紙漉き職人を育ててきた、生まれ故郷でもある施設です。
本施設は埼玉県から小川町に託され維持管理をしてきており、今でも紙漉き職人が和紙の制作に励