「今年は文化祭も中止になってしまいましたーー」
ある日、私たち劇団ノーミーツ のもとに、学生からこんなコメントが届きました。
入学式。部活。放課後。体育祭。修学旅行。そして文化祭。
2020年は、学生たちが多くのかけがえの無いものを失った1年でした。
学生たちにとって失われてしまった行事は、仲間で結束し、共に創ることの楽しさを学べる大事な時間。
その大切で濃密なひとときを、何か手助けできないか。そんな思いで「全国学生オンライン演劇祭」を始めました。
ご挨拶が遅れました。はじめまして、劇団ノーミーツです。
私たちは「NO密で濃密なひとときを」をテーマに、オンライン演劇を主軸に活動する”オンライン劇団”です。平均年齢27歳、現在23名で活動しています。
昨今の状況下で新たなエンタメの形を模索すべく、緊急事態宣言直後の2020年4月9日に結成しました。
これまでTwitterをはじめとするSNSに20作品以上の「140秒Zoom演劇」作品を投稿し、累計再生数は3000万回を突破しています。
また、これまでに3つの長編公演を上演。『門外不出モラトリアム』『むこうのくに』『それでも笑えれば』の3作品は、有料チケット制にもかかわらず14,000人以上のお客様にご観劇頂きました。
私たちはコロナ禍におけるエンタメ業界の不安定さに直面したことがきっかけで立ち上がった劇団です。
「自宅にいながらでもなにか表現できる方法はないのか」という思いで立ち上げた”ZOOM演劇”。それを多くの人に観劇いただくことができて、「こんな状況でもまだまだやれるぞ!」と希望を持てました。
「今年は文化祭も中止になってしまいました」というメッセージをもらったとき、自分たちがお客様からたくさん支えてもらったように、自分たちも困っている人を手助けできるのではないかと思いました。
劇団ノーミーツがフルリモートで演劇を上演してからはや10ヶ月が経とうとしていますが、私達が感じたのは「会うよりも、ずっと密だった」ということ。
だからこそ、オンライン演劇を通じて、学生の皆さんにも「ずっと密な思い出」を作って欲しい。そんな思いから、学生の方からのメッセージが届いてから、すぐに準備をはじめました。
全国学生オンライン演劇祭は、世界初のオンライン演劇の全国大会です。
オンライン演劇とは、スマホやパソコンを舞台に、お客さんと役者が一度も顔を合わせずに上演する演劇。この演劇祭では、”役者同士が一度も会わずに上演すること”を条件に、作品を募集しています。
既に多数のグループに応募していただいており、応募内容を見ながら私たちも日々ワクワクしています!
中学生から大学生まで、学生であれば誰でも応募可能です。もちろん、同じ学校の仲間でなくてもOK。会ったことのない仲間、会えていない仲間と、自由に作品制作に挑戦してみてください。
「全国」と名を冠する通り、オンライン予選を勝ち上がり決勝に残った作品は、私たちの運営するオンライン劇場「ZA(ザ)」で生配信。全国のお客さんの前で上演する機会を作ります。
オンライン劇場「ZA」は、オンライン演劇のための新しい劇場です。生の舞台演劇を観劇した時にしか味わえない緊張感や場所性を伝えるために、「全公演生観劇型」で配信しています。
さらに、観客同士が体験を共有できる「観客同士の交流」機能や、観客が物語の展開を選択できたり、演者が観客と交流できるような「スクリーンの舞台装置化」機能など、オンラインならではの装置が備わっています。
(「ZA」(当時は特設サイト)で行った第二回公演『むこうのくに』の一幕)
優勝した劇団とは、劇団ノーミーツの全面サポートのもと、新作のオンライン演劇を一緒に作る予定です。私たちだけでは出てこないようなアイデアとのコラボレーション。今からとても楽しみです!
決勝進出者は現在一次審査中のため、近日発表予定!
決勝戦は3月28日を予定しています!
●広屋佑規(劇団ノーミーツ主宰・プロデュース)
「今年は文化祭も中止になってしまいました……」という学生からのメッセージで始まった全国学生オンライン演劇祭。既にこのお祭りに多くの学生さんから作品応募があります。応募の概要を観るだけで、どんな物語を楽しむことができるのだろうと今からワクワクしていますし、学生の皆さんにとってこのお祭りが、仲間で結束し、共に創ることの楽しさを学べる大切な時間になってほしいと日々感じています。
そして、劇団ノーミーツがフルリモートで演劇を上演して感じた「会うより、ずっと密だった」という体験。この感覚を多くの学生に味わってもらうためには、このお祭りを更に多くの方々に応援してもらいたいと思いました。学生達だ