みなさんは、補聴器にどのようなイメージを持っていますか?
ベージュやグレーのカラーバリエーションにくわえて、どんどん進む小型化…世の中の補聴器は見えない方向で開発されています。
私はこの現実に一人の補聴器ユーザーとして疑問を持ち、補聴器を“隠して”生きていくのではなく、“魅せて”生きていけるアートカバーを作っています。
そして、この活動を日本中・世界中の人々にもっと広めたいと思い、クラウドファンディングを立ち上げました。
はじめまして。松島亜希(まつしまあき)と申します。
全国各地の補聴器ユーザーや聴者の仲間、補聴器販売店の人たちと共にアート補聴器「十彩(といろ)」を作り、広める活動をしています。
私は、先天性の重度難聴で1歳半から補聴器をつけて生きてきました。
地元の幼稚園では周りの子と違うこと、聞こえないことを自覚しつつも、楽しく過ごしていたため、周囲の反対の言葉を押し切り、ろう学校や難聴・支援学級のある学校ではなく、地元の小学校に入学しました。
しかし、いざ始まった小学校生活は、耳が聴こえない・補聴器をかけていることでいやがらせを受け、ケガの絶えない日々を駆け抜けてきました。
…そんな中でも、ずっと変わらなかったこと。
人を信じる気持ちの強さと、人と関わることが好きで、人を笑顔にすることが大好きということ。
だからこそ、「この経験を生かして教育から世界を変える!」という想いをあたためてきました。
大学卒業後は事務職につくものの、世界を変えたい野望から、植木屋さんや山仕事の経験を積んだり、よさこいの踊り子をしたりと、自分がいかにどこまでできるか挑戦し続けてきました。
そんな日々の中で、色々な出会いがありアート補聴器「十彩」を立ち上げました。
「魅せる」補聴器に大変身させるアートカバーを通して、色々な人におしゃれを楽しんでもらい、笑顔になってもらえるようにと日々考えています。
笑顔が絶えないパワフルな仲間と共に、全力で世界を明るく変えるために燃えています!
【 補聴器を“見られたくないもの”から“魅せたいもの”に変える 】
補聴器は決して特別なものではありません。
補聴器は、生まれつきや病気で難聴になった方だけでなく、高齢になると多くの方が使うものです。
にもかかわらず、今までは「補聴器を見られたくない」という気持ちを軸にした、ベージュやグレーの目立ちにくいカラーバリエーションのものや、小型化されたものが多くを占めていました。
私はこの社会で一般化された課題を逆転の発想で鮮やかに解決したいと考え、補聴器を見られたくないものではなく、“魅せたいもの”にする「アートカバー」を作り始めました。
そのキッカケについてお伝えします。
私は、大学時代から子どもたちと関わるボランティアの「キャンプリーダー」という活動をしてきました。その中で、心に刺さった印象的な出来事がありました。それは、子どもたちが補聴器に興味があるのに、面と向かって見ようとはしないのです。
補聴器ユーザーの私に気づかれないようにこっそりと見ようとする視線から、子どもたちの心の中にも潜在意識として「補聴器を見てはいけない」「耳(障がい)のことを聞いてはいけない」という思い込みがあるのだと感じました。
(写真提供:特定非営利活動法人 Brain Humanity)
私から「見てもいいよ。大丈夫だよ。」と促してみるも、頑なにそっぽを向いたまま。
向き合うことがなかなかできなかったのです。言葉ではどうにもできない壁の存在に気づいた瞬間です。
なんとか打