漁師飯弁当で漁業者支援!家庭で楽しむ漁師飯

漁師飯弁当で漁業者支援!家庭で楽しむ漁師飯
今回のプロジェクトでは、漁業者が減少する中で未来へ向けて水産基地としての機能の維持を図るために、減少傾向にある魚の消費回復を目指し、佐賀県玄界灘で水揚げされた魚介類を使った「漁師飯弁当」を開発します。

ご挨拶

NPO法人浜-街交流ネット唐津は、国内における魚消費量の減少や水揚げ量減少等による漁家経営の悪化及び後継者不足にともなう産地機能低下等の問題を解決するために、漁業者自らが設立した組織です。魚食普及のための料理教室や漁業体験、海の学習教室等による消費者交流事業、玄界灘の魚介類の産直便事業による漁業者支援事業等を行っています。

漁業を取り巻く環境の変化 -魚介類消費量の減少-

近年、国民の食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、平成13年の40.2kgをピークに減少しています。平成23年には肉類の消費量が魚介類を上回り、平成28年には24.6kg(概算値)にまで減少しています(図1)。

 魚介類の消費減少の要因としては、以前から調理時に出る生ごみやにおいの問題、調理するのに手間がかかること等が指摘されており、さらに最近は、女性の社会進出の増加により調理にかける時間が短くなっていることなどの生活スタイルの変化も要因として挙げられています。

 魚の消費量の減少の結果、漁家経営は、市場価格の低迷、燃油・資材の高騰等とあいまって厳しさが増し、後継者不足と漁業従事者の高齢化(図2)といった漁業の存続にまで影響する問題がみられています。

 一方で、主菜となる食材の今後の摂取量に関する消費者の意向をみると、魚介類をもっと増やしたいという意識は根強くあります(図3)。そして、消費者の「調理に関すること」に関する調査結果をみると、魚の消費を増やすためには、現代の生活スタイルに合った「できるだけ簡単でおいしいもの」で、健康志向に対応した「栄養バランスがとれたもの」が求められていることがわかります(図3)。

 このような消費地と産地のそれぞれの課題を解決するため、本プロジェクトでは、唐津の漁師のパワーの源となっている料理を栄養成分や機能性成分にこだわった「漁師弁当」として支援者の意見を聞きながら取り組む「支援者参加型」で開発したいと考えています。

これまでの取り組み -2021日本ギフト大賞佐賀賞 受賞-

 私たちは、このような消費地と産地のそれぞれの課題を解決するため、 簡単に食べることができて、しかも魚介類特有の栄養成分にこだわった加工品開発を進めてきました。

 平成30年のクラウドファンディングでは、メニュー選定では支援者の意見を聞きながらニーズに対応したもの、また、原魚の仕入れに当たっては漁師から市場より高く購入することによる漁家経営支援を念頭に、「唐津めしんしゃー漁師飯」を開発しました。おかげさまで、2021日本ギフト大賞の佐賀賞を受賞することができました。

なぜ漁師飯弁当をつくるのか? -魚は日本人の健康を支えてきた食材-

 魚は長きにわたって日本人の健康を支えてきた食材です。 私たちは、これまで魚の消費を増やしたいとの思いから、県内や東京で料理教室や直売会を開催してきました。その中で消費者のみなさんからは、「魚を家族に食べさせたいが、調理が面倒」、「一匹魚を買っても調理できない」、「さばき方が分からない」等という前に示したアンケート調査の結果と同じようなご意見をお聞きし、そんな声に応えるためにも、この加工品開発プロジェクトを行うこととしました。

 漁師飯弁当の開発にあたっては、加工品開発及び食品栄養学の専門家等と協議を行い、「栄養成分や機能性成分に重点を置いた漁師飯弁当」を開発します。使用する冷凍機器は、最新の冷凍装置といわれる「3Dフリーザー」を使用しますので、ご家庭で解凍しても獲れたての魚介類の味をお楽しみいただけます。